滋賀県立美術館が開館40周年!「小倉遊亀」特別展を実施
小倉遊亀「挿花小女之図」1927年、福田美術館蔵、通期
1984年に開館した滋賀県立美術館(当時は滋賀県立近代美術館)が、2024年に40周年を迎えるのを記念し、特別企画展を実施。美術館のコレクション形成に大きく尽力した、小倉遊亀(おぐらゆき)にスポットをあてた期間限定の特別展です。
理知的な造形に相反するようなぬくもりが感じられる遊亀の作品。対象を構想や概念で捉えるのではなく、本質を見る遊亀の目を通して、芸術の世界に触れられる機会となりそうです。
日本美術院を中心とした近代画が集結
横山大観「鳰之浦絵巻」(部分)1918年、滋賀県立美術館蔵、通期
「日本美術院を中心とした近代日本画」を収集方針のひとつに定め、関西圏にある美術館でありながら東京で興した日本美術院に注目するという、独自性と厚みをもつコレクションを実現してきた「滋賀県立美術館」。
遊亀が制作発表をしたのも日本美術院であり、横山大観や菱田春草らをはじめ、遊亀に影響を与えた、師の安田靫彦(ゆきひこ)や先輩の速水御舟(はやみ ぎょしゅう)など、多くの画家による日本美術院の作品が約90点展示される予定です(会期中展示替えあり)。
見どころ1:日本美術院の俊英たちの活躍を紹介
小倉遊亀「画人像」1962年、滋賀県立美術館蔵、通期
25歳で安田靫彦に師事した後、105歳で没する最晩年まで、日本美術院の画家たちと交流・研鑽しながらひたむきに描き続けた小倉遊亀の画業と、それを育んだ日本美術院の俊英たちの活躍が紹介されます。
見どころ2:近代日本画の代表作が一挙公開
安田靫彦「飛鳥の春の額田王」1964年、滋賀県立美術館蔵、通期
滋賀県立美術館のコレクションから遊亀の「姉妹(あねいもと)」、教科書などでもよく知られる安田靫彦の「飛鳥の春の額田王」「卑弥呼」、そして速水御舟の「洛北修学院村」をはじめ、近代日本画を代表する名品の数々が一挙に公開されます。
見どころ3:各地所蔵の作品や原稿などの貴重な資料の展示
小倉遊亀「径」1966年、東京藝術大学蔵、通期
滋賀県立美術館所蔵の作品に加えて、「径」(東京藝術大学蔵)や「舞妓」(京都国立近代美術館蔵)といった、ほかの場所で通期展示されている遊亀の代表作4点、さらにアトリエに残されていた下絵や原稿などの資料も、借用して展示されます。
体験やトークイベントなども開催
滋賀県立美術館では約9年ぶりとなる「小倉遊亀」をテーマにした企画展は、2023年4月29日(土)から6月18日(日)まで、期間限定の開催です。会期内には、スペシャルトークショーも企画されているほか、ゴールデンウィーク中には子どもたちを対象とした体験イベントも。
貴重な作品が集結するこの機会に、芸術に触れる旅に出かけてみてはいかがでしょう。
【小倉遊亀と日本美術院の画家たち展】
会期 :2023年4月29日(土・祝)~6月18日(日)
開場時間:9:30~17:00(入場は16:30まで)
休館日 :月曜日
会場 :滋賀県立美術館 展示室3
料金 :一般1,200円(1,000円)、高大生800円(600円)、小中生600円(450円)
※( )内は20名以上の団体料金
※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳をお持ちの方は無料
※同時開催中の常設展もご覧いただけます
※年額2,400円(一般)で何度でも観覧いただけるお得な年間パス(滋賀県美メンバーズ)入会受付中
【関連イベント】
・体験&トーク
期間:2023年5月13日(土)14:00~(約120分)※要事前申込(抽選)
演題:金継ぎと小倉遊亀
講師:ナカムラクニオ(6次元主宰/美術家)
・対談
日程:2023年6月11日(日)14:00~(約90分)※要事前申込(先着順)
テーマ:歴代学芸員から見た、遊亀と日本美術院の画家たちの魅力
ゲスト:高梨純次(公益財団法人秀明文化財団理事、元滋賀県立近代美術館学芸課長)
國賀由美子(大谷大学教授、元滋賀県立近代美術館専門学芸員)
聞き手:山口真有香(滋賀県立美術館主任学芸員)
・ギャラリートーク
日程:2023年5月20日(土)、6月4日(日)14:00~(約60分)※当日先着順
・体験イベント
[たいけんびじゅつかん「顔彩(がんさい)で描いてみよう」]
日程:2023年4月30日(日)、5月28日(日)※要事前申込(抽選)
内容:子どもたちを対象とした展覧会鑑賞と創作のワークショップ
※それぞれのイベントは都合により、内容・日時等が変更になる場合があります。
※イベントの詳細や最新情報は当館HP等で御確認ください。
公式サイト:https://www.shigamuseum.jp/
※最新情報は公式サイトなどでご確認ください。