ローマから北に150キロほどのところにアックアペンデンテという町があります。
この町のカテドラルは一見とてもシンプルな建築ですが、地下には11世紀にさかのぼる礼拝堂(クリプタ)があることで知られています。
24本の柱で支えられた典型的なロマネスク様式で、地上にある礼拝堂とは異なる神秘的な雰囲気が特徴。
カテドラルそのものは、10世紀に神聖ローマ皇帝オットー1世の母マティルデの願によって建てられたという伝説が残ります。
マティルデはその徳の高さで、死後に聖人に列せられました。




カテドラルは聖墳墓教会(San Sepolcro)の名があるため、このクリプタをヨーロッパにおけるエルサレムと解釈した時代もあったそうです。
その解釈に相応しい、荘重で謹厳な雰囲気が礼拝堂内を満たしています。




またこの辺りは、イギリスからローマを結ぶ巡礼路フレンチジェーナも通っていました。
北からローマに向かう人々にとっても、アックアペンデンテに残るクリプタは大きな感動であったことでしょう。


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