人口約4300人のブルゴーニュ北部の町トネール(Tonnerre)。
国鉄トネール駅を出て10分程の中心街の周囲にある住宅は、真新しくモダンに改装した家と、昔ながらの木組みが混じった壁や年季が入った瓦の家が隣り合い、不思議なコントラストを創り出しています。
そして街の中をゆっくりと流れるアルマンソン川 (Armançon) は、自然を静かに満喫できる空間を提供しています。
街の中心部から数分、小さな案内標識を辿るとこの小さな町の観光スポットの1つ、 La Fosse Dionne (ラ・フォス・ディオンヌ) という見事なターコイズブルーの泉が現れます。名前を直訳すると、「ディオンヌの穴」。
このサークル型の泉は18世紀に洗い場として整備された形が現在まで受け継がれているとの事です。
サークルの大きさに対し、その下から流れ出る水量はなかなかのボリュームであることが、そのどっしりとした水音から伺えます。
実はこの泉、現在でもミステリーな側面を持っているのです。
1つ目がこの見事な青緑色。
伝説の1つによると、悪魔に捉えられそうになった娘を助ける為にマリア様がエメラルド色のコートを投げて泉を出現させた、娘はそこに飛び込み助かる、マリア様はコートをその場に置いていった為、泉はそのエメラルド色を保つことになったというお話です。真相やいかに。
2つ目は現代の事。
滔々と流れ出るこの泉の水源がどこなのか、実はまだ全てが解明されていないというのです。
20世紀になってから2度調査が行われた際、複数名の死者が出た為どうやらその後の調査は行われていない模様。
謎は謎のままそっとしておき、かつてガリア人やローマ人も利用したという泉の美しさを愛でるにとどめておきましょうか。
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