フランスの1月は大変静かに、そして穏やかに始まります。
サン・シルベストルのお祭り、つまり大晦日のイベントが終わり年が明けると、町で昼からぽつぽつとオープンするクリスマスのスタンドは物悲しささえ漂っているようです。
そんな1月の始めに、複数のメディアで見かける言葉がドライ・ジャニアリーです。

 イギリスで2013年に始まったというこのキャンペーンがフランスで本格的にメディアに登場したのは2020年のこと。
大いに飲み食べた翌月はみんなでお酒を断ってみようではないか、といった試みのようです。
「Try Dry」というアプリもあり、2020年は約3万2千件のダウンロードがありました。




 キャンペーンに際し、いくつかの企業等でアンケートが行われているようですが、ブルゴーニュ地方のとあるメディアのデータによると、2024年1月のドライ・ジャニアリーに参加しようと考えていると答えた割合は21%、反対に「それは無理、 飲み続けるよ」と答えた人の割合は79%という結果が出ました。
 2426人が参加したこのWebアンケートの結果はフランス全体から見るとごく一部の数字にすぎません。
それにアルコールの摂取量は人により様々でしょうから、キャンペーンをきっかけに健康作りを意識する機会が増えればという程度の柔らかい位置づけでしょうか。
また英語表記で大々的に使われているのは、英語の使用に敏感なフランスではちょっと珍しい印象です。

 ところで12月のビュッシュ・ド・ノエルに続き、1月といえば ガレット・デ・ロワを食べる公現祭、そして2月2日には クレープを焼き、願い事をしながら放り投げる(現在は食べる方に専念する方が多い)伝統行事、Chandeleurが待っています。
そもそも日常的に朝食はジャムやニュテラ(ヘーゼルナッツの甘いクリーム、ヌテラ)にホットチョコレートがお馴染み、そして昼(学校の食堂でも)と夜もちょっとした甘いデザートがあるのがスタンダードなこの国では「ドライ スイーツ」 キャンペーンを始める気配はなさそうです。


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