ローマから南に向かったところにある山の町、ロッカ・プリオーラ。
ローマの近郊にありながら大雪が降る町として有名で、かつてはローマの貴族たちの夏のシャーベットのために雪を売っていたという歴史を持っています。

こうした田舎町のバールやお菓子やさんでは、昔ながらの手作りのビスケットが売られています。
トスカーナ地方ならば「カントゥッチ」と呼ばれるこのお菓子、日本でもこの名前でよく知られています。
一方ロッカ・プリオーラでは、このお菓子を「トッツェッティ」と呼びます。
見た目も材料もほぼカントゥッチと同じですが、イタリアでは同じ食材や料理の名前が地方によって変わるという現象は珍しくありません。

トッツェッティはお世辞にも洗練されたお菓子とはいいがたいのですが、そのぶん飽きがこないのがメリット。
カプチーノに浸しても、ワインに浸けて食べても美味しいのが特徴です。
小さな田舎町のこのトッツェッティ、2015年に開催されたミラノ万博に出品され、なんと賞まで受賞しました。
変わらぬ味を求めて、週末にはローマっ子もやってくるという銘菓です。


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