大家族制度がベースにある、ネパールのような発展途上国では、不倫のような問題は起こらないというイメージがあるようです。
でも、実は、不倫のトラブルについては、あちこちで耳にするくらい、よくある話なのです。
なぜ、不倫が多いかというと、一番の原因は、出稼ぎが多いことが関係しています。
出稼ぎ先で、寂しくなったご主人が不倫するパターン、あるいは、何年も置いて行かれた奥さんが寂しくなって不倫するパターンの両方があります。
そして、不倫で終わらずに、子供をおいて駆け落ちというケースもよく聞きます。
さらに、不倫で妊娠し、ばれないように別の街の病院でこっそり産んで、そのまま、赤ちゃんを捨ててきてしまうケースも後をたちません。
母体に危険がない場合、中絶は行えないことになっているため、産むしかなくなるのですが、不倫の赤ちゃんを育てるわけにもいかず、捨ててきてしまうのでしょう。
ポカラの国立病院の産科で働いている看護婦さんによると、そのような出産のケースは毎月あるのだということ。
そして、捨てられた赤ちゃんはどうなるかと聞くと、子供が欲しいが授かれない夫婦にもらわれていくことが多いということでした。
誰かが出稼ぎにいかないと現金収入が得られない村では、どうしても夫婦が一緒に暮らせない状況が出てきてしまいます。
不倫は個人の問題ですが、赤ちゃんの産み捨ては個人の問題ですむことではありません。
赤ちゃんを捨てていくお母さんにしても、本当は心が痛んでいるのかもしれません。
はたからみたら、素朴で純粋に見える村人も、やはり私たちと同じ人間。
先進国と発展途上国で生活水準は違っても、人々の悩みや問題は似たり寄ったりなもののようです。
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