スーパーマーケットが増えてきたとはいえ、個人のお店がまだまだ健在のイタリア。
八百屋さんやお肉屋さんに出向き、おしゃべりを交わしながら買い物をする姿をよく目にします。
なかには豚肉専門店もあり、さまざまな部位を販売しています。
生肉だけではなく、生ハム、サラミ、豚肉に香草を詰めて丸焼きにしたポルケッタ、パンチェッタ(ベーコンのようなもの)など、豚肉を原料にするあらゆる商品が店内に並んでいます。
そのなかで「これなに?」と思ってしまうのが、ボウルに入った白い塊。
実はこれ、ラードです。
イタリア料理といえばオリーブオイルが頭に浮かびますが、オリーブオイルは古来、上層階級のための油でした。
オリーブが育たない北部ではバターがよく使われますが、ラードもオイルとしてさまざまな料理に使われているのです。
ラードというと臭みがありそうですが、豚肉専門店で買う質の良いものはさらっとしています。
お店の主人によると、料理だけではなくお菓子作りにもよく使うとのこと。
ナポリを代表するスフォリアテッラやイタリア人が大好きなタルト「クロスタータ」の生地にも、ラードを使う家庭が多いそうです。
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