ローマから南に80キロほどのところにあるコーリ。
人口1万人超の小さな町ですが、周辺には広大なオリーブ畑が広がり、心が癒される風景が続きます。
コーリはサフランの名産地でもあり、サフランを使ったお料理を提供するレストランもあります。

コーリは山の形状を活用して建てられているため、街中はまるで迷路。
車で侵入すると、対向車とはすれ違うことが不可能なくらい細い道ばかりです。
その町の一隅に、紀元前80年ごろに建設されたヘラクレスの寺院跡が残っています。
ギリシア建築からインスピレーションを得たドーリア様式で、残っているのはごく一部。にもかかわらず、空に向かって伸びる柱には悠久の時の流れを感じるほど壮観です。

専門家によると、この柱の部分と下の土台の中心がずれているため、その前の時代にあった建築物の上に建てられた可能性もあるのだとか。
言い伝えでは、ブラマンテから引き継いでバチカンのサン・ピエトロ大寺院の設計を任されたラファエロが、この地を訪れて、ヘラクレスの寺院の測量を行ったといわれています。


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