タイ南部のリゾート地プーケットでは、海だけでなく旧市街の夜も観光の主役になりつつあります。8月23日から29日まで、プーケット旧市街のチャータード銀行交差点で「Feel All the Feelings @ Phuket: Illuminating Peranakan」が開催されています。歴史ある建物の外壁をスクリーンに見立て、光と音でババ・プラナカン文化の物語を映し出すイベントです。


■ 15分の映像を夜に10回上映

プロジェクションマッピングは毎日19時から22時まで、20分間隔で計10回。1回約15分なので、夕食や街歩きの途中にも立ち寄りやすい構成です。初日の23日には、タイの仮面舞踊「コーン」とジャズの生演奏も行われました。

舞台になるのは専用ホールではなく、旧市街そのものです。夜になると歴史建築の壁面に色や模様が重なり、昼間に見る街並みとは違う表情が生まれます。


■ 貿易の歴史が残る街を「見る」から「体験する」へ

プーケット旧市街は、かつて錫採掘と国際交易で栄え、中国系、インド系、ヨーロッパ系、イスラム系など多様な人々が暮らした地域です。現在もシノ・ヨーロピアン様式の町家が残り、一部は博物館、カフェ、宿泊施設などに活用されています。

その多文化的な暮らしの中で育ったのが、ババ・プラナカン文化です。今回のイベントは、建物をただ保存して見せるのではなく、その壁そのものを使って地域の記憶を伝える点が特徴です。


■ 夜の時間帯を文化観光に変える

リゾート地では、昼の観光が終わると食事や買い物に人の流れが集中しがちです。こうした夜間の光の演出は、新しい施設を建てなくても既存の街並みに滞在時間を生み出せます。

写真映えする演出で若い旅行者を引きつけながら、その背景にある歴史や文化にも触れてもらう。古い街並みを「保存する場所」ではなく「今も使われる舞台」に変える取り組みとして、プーケットらしい夜の観光になっています。


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