イギリスへ長期滞在や移住された人たちが「イギリスに住むにあたって困ったことは」と聞かれ、いつもトップとなる回答は「天気」です。
イギリスの気候自体は大変いいと思います。年間の気温にしても、極端に高い・低いはありません。大変暑い夏といっても、熱帯地方に比べれば涼しいですし、冬も同じ緯度のモスクワやカナダに比べて温暖だし、雪も少ない・・。
問題は天気が変わりやすい点です。同じ日に、寒い・暖かい・雨・風が強い・晴・・・と変化するのです。イギリスに訪れた友人は「天気予報はまったくあてにならない」と言います。いつも「日中は晴れていますが、雨も降るでしょう。変わりやすい天気です。」と言っている・・。正確に予報をしているのですが、天気が変わるので仕方がないのです。
イギリスの南部はヨーロッパ大陸の暖かな天気。北と東は北極とスカンジナビアの寒い天気。風の向きが少し変わっただけで、この2つの天気がおおきくバランスを変えるのです。
また、西には北大西洋があります。天気は西から東へと進みますが、予測できない北大西洋の天気がイギリスの天気に大きく影響します。大西洋は年間を通じて湿気をもたらします。また、これがイギリスの冬の暖かさにも関係してきます。カリブ海からのイギリスの西海岸への暖かな湾流が、イギリスをモスクワなどよりも温かくしてくれます。
そしてイギリスの島々を通過するジェット気流。これが北へ進むと、暖かなヨーロッパの空気がイギリスにもたらされる一方、南に進むと北極の冷たい空気がもたらされます。
このような複雑な状況のため、イギリスの天気が変わりやすくなってしまう旨、ご理解いただけましたら幸いです。
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