ネパールの識字率は、2011年の国勢調査によると、65.9%。
50年前の1961年の識字率が10%足らずであり、1981年で約25%であることを考えると、徐々に上がってきてはいます。
ただ、世界の先進国と言われる国の識字率が98%を超えていることを考えると、まだまだ、識字率は低いと言わざるを得ません。
65.9%というと、文字の読み書きができない人が全体の3分の1はいるということなのです。
そんなネパールでは、選挙の投票はどのように行うのでしょうか?
普通、日本で、選挙の投票といえば、投票用紙に支持する政党あるいは、立候補者の名前を記入するのが一般的です。
でも、識字率が低いネパールでは、この方法は使えません。
そこで、考え出されたのが、記入式ではなく、スタンプを押すタイプの投票用紙。
投票用紙には、各政党のシンボルマークが印刷されていて、投票する人は、投票したい政党のシンボルマークのところにスタンプを押すようになっています。(それゆえに、同じ政党からの複数立候補はありません。)
シンボルマークは、例えば、木だったり、鎌だったり、太陽、月、家、チャイグラス、オイルロウソクなど様々。
投票してもらうには、このシンボルマークを覚えてもらうことが重要なので、選挙運動の時期には、街のあちこちに政党のマークを印刷した旗やチラシが溢れることになります。
農村部では、家の壁にシンボルマークがペンキででかでかと描かれます。
村に行って、家の壁に、太陽だったり、鎌あったり、木のマークが描かれていたら、それは、子供の落書きなどではなくて、選挙運動の名残です。
文字の読み書きができなくても投票できるスタンプ式の投票用紙ですが、デメリットをあげるとすると、候補者が増えると、投票用紙がどんどん長くなることでしょうか?
先日の、カトマンズの地方自治体の長(日本で言えば、市長と副市長)をはじめとする7つのポストを決める選挙では、選挙区によっては、投票用紙の長さが1m近くもあったのだそうですから驚きです。
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