ネパールでは、名字が民族名だったり、一族名だったりすることが多く、同姓同名の人がとても多いのです。
例えば、グルン族の村だと、全員の名字がグルンさんだったりすることも度々です。
会社や役所などのオフィスでも、スタッフの名字が被らないことの方がないくらいです。
そんな状況がよくあるネパールでは、例え、会社でも、下の名前で呼び合うのが普通です。
アジェイさん、ラクシュミさん、ビノッドさんという具合に。

けれども、もっと厄介なことに、名字のみならず、氏名もかぶることが多いのです。
例えば、ナラヤン・グルンさんとか、シバ・タパさんとか、ガネッシュ・シュレスタさんなど、名字、氏名共にメジャーすぎて、会社や学校でもかぶることが多発。

さて、そういう場合はどうすれば良いのでしょう?

同民族が住む同姓同名の多い村では、名前でなくて、人間関係で呼び合います。〇〇さんちの長男とか末っ子。
あるいは、寺隣の家の三女とか、丘向こうの2番目の嫁とか、一番上の孫とか、隣村の叔母さんとかそんな感じで。
村や家族内であれば、名前よりも、むしろ自分との関係で呼び合うことが多いのです。

言葉は必要なところに生まれるもの。
それゆえに、ネパールでは、家族間の人間関係を示す単語が日本語よりもずっとたくさんあります。
父方のおば、母方のおば、日本語では、おばさんと同じ呼び方をしますが、ネパールではマイジュ、カキと厳密に分けられています。
お兄さんのお嫁さんがバウジュ。
お姉さんの旦那さんがベナジュ。
人間関係を示す言葉だけで山のようにあります。

では、オフィスや学校の場合は?
ラム・アディカリさんが二人いたらどうしましょう?
オフィスでは、ラムダイ(ラム兄貴)とか、ラムバイ(ラム弟)、サノラム(年下のラム)などなど。
混乱しないように、形容詞的なものをつけて区別したり、それなりに工夫しているようです。

ちなみに、ツーリストが、現地で知り合ったネパール人を呼ぶ場合は、どうすればいいのか?
自分より年下か同年代の場合は、サンギータとかラジュとか、名前の呼び捨てでいいでしょう。
もし、ゲストハウスのオーナーだったり、明らかに自分より年上の場合は、日本の「さん」に当たる「ジー」を名前の後につけて、サンギータジー、ラジュジーと呼んでくださいね。


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