イタリアのローマ南部には、カステッリ・ロマーニと呼ばれる地方があります。
ローマの街からは30キロほど、ローマっ子たちには日帰りで出かけるのには格好の距離にあります。
週末になると新鮮な空気を求めてローマっ子たちがお昼ご飯を食べに出かけたり、夏には避暑がてらドライブをしたりします。




カステッリ・ロマーニ地方には、有名な湖が二つあります。
ひとつはネミ湖。
古代のローマ皇帝カリグラの船が見つかったことでも有名で、最近ではイチゴの街として知られています。
春には、イチゴのお祭りも開催されます。




もう一つはアルバーノ湖。
カルデラ湖であることが一見してわかる特異な地形をしています。
この湖を見下ろす一画にあるのが、ローマ法王の夏の宮殿があるカステル・ガンドルフォです。
現在の法王フランシスコは奢侈を嫌い、夏も滅多にカステル・ガンドルフォにやってくることはありません。
が、生前退位した前法王ベネディクトゥス十六世はこの地を愛し、退位宣言をしたのもカステル・ガンドルフォでした。
カステッリ・ロマーニのほかの街と同様、ひなびた空気が魅力のカステル・ガンドルフォですが、さすがにローマ法王の宮殿があるだけあって品格では抜きんでています。




街から眼下に見下ろす湖や、湖を囲むような豊かな自然、点在する小さな街など、カステル・ガンドルフォはまさに風光明媚。
夏には涼しい風が吹き、冬には神秘的な霧が湖を覆います。
石畳の道も郷愁を誘い、散策するにはちょうどいい大きさです。
ローマの街の喧噪に飽きたら、ローマから手軽な距離にあるカステル・ガンドルフォでリラックスするのも一興です。



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