イタリア半島は、どこへ行っても魅力があふれて観光客で混み合っています。
ところが、その名を聞いてもまったく特徴が浮かばない影が薄い州もあるのです。
それがモリーゼ州。
ラツィオ州、カンパーニア州、プーリア州と隣り合うモリーゼ、イタリア人でさえも「モリーゼってなにがあったっけ?」というくらい地味な州なのです。
しかし実際には、自然が美しく、ワインがおいしく、モッツァレッラチーズなどの名産も数多く存在します。なにより、知名度が低いことが幸いして物価も安いのがありがたいところ。
壮大な山並みが続くかと思うと、アドリア海の美しい海も望むことができ、まさに穴場といったところ。
ローマから高速に乗って2時間ほどのところに、モリーゼ州の街イゼルニアがあります。
途中、高速からは有名なモンテ・カッシーノの修道院を見ることもできます。このイゼルニアに、非常に美しい陶器の工房があります。
アントニオ・ザッカレッラさんとその家族が経営する小規模の工房は、まさに典型的なイタリアのファミリービジネス。
しかし、この規模の工房からもため息が出るような美しい陶器が次々と生まれるのですから、イタリアの芸術は奥が深いのです。
アントニオさんの美しい作品は、日本にも輸出されています。
また、ローマ市内の陶器のお店でも購入可能ですが、モリーゼ州を訪れて、その美しい空気と美味に触れるのも一興です。
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