イタリアでは、セカンドハウスを所有することが珍しくありません。
とくにお金持ちではなくても、中流ほどであれば週末をのんびり過ごすささやかな家を町の郊外に持つことが少し前までは普通でした。
夫の叔父も一人も、海に近い田舎町に小さなセカンドハウスを持っています。
といっても、叔父の週末の楽しみは家庭菜園で、この庭で獲れる野菜や果物が彼の大家族を養っているといっても過言ではありません。
野菜畑や果物の木の合間には、叔父が丹精した美しい花々が咲き乱れています。
孫といえどもこの神域を冒すことはままならず、ボール遊びをして花に当たろうものなら叔父の雷が落ちます。
鶏を飼い、肥料まで自家製というオーガニックな叔父のセカンドハウスでは、養蜂も行っています。
都会育ちの子供たちにとっても蜂の生態を眼にすることは珍しく、セカンドハウスでは分蜂の様子も観察できました。
叔父は蜂から身を守る防護服をまとってはちみつを採取し、瓶詰にするとそれを親戚中に配ります。
いかにも自家製らしくすぐに結晶化してしまうのですが、冬の風邪から身を守るはちみつには叔父の家族愛が詰まっているようです。
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