スペインには、ワイン、オリーブオイル、パエリア、スパニッシュオムレツなどおいしいものがたくさんありますが、その中でも生ハムなど豚肉を塩漬けにして乾燥させた加工肉は、毎日の生活の中でも頻繁に食されます。




スペインには非常に多くの種類の加工肉がありますが、食卓によく登場するのは、ハモン(jamón)と呼ばれる豚もも肉の生ハムや、カニャ・デ・ロモ(caña de lomo)と呼ばれる豚ひれ肉の生ハムです。これらの生ハムは肉のかたまりを調理したものですが、塩漬けにしたひき肉を腸詰にして乾燥させたチョリソー(chorizo)やサルチッチョン(salchichón)なども日常的に食されます。イタリアのサラミとよく似ています。ソーセージと違い、加熱せずにスライスして食べます。




クリスマスや結婚式などの特別なイベントの際にはハモン・イベリコと(jamón iberico)いう高級なイベリコ豚で作られたハモンが提供されることが多く、豚の脚をまるごと調理台にセットしてその場でうすくスライスして食べます。やはりスライスしたばかりのハモンはしっとりとして、舌の上でとろけるような舌触りで格別です。このハモンをスライスする人はプロの職人で、ハモンマイスターのような認定が必要なのだとか。さすが生ハム大国です。




そんなスペインのスーパーに行くと、ハモンをはじめとした調理肉のコーナーが広く設けられており、少し大きなスーパーに行くと、その場でスライスしたハモンを量り売りで購入することができます。特にクリスマス前にはハモンコーナーが拡大され、丸ごとのハモンを何本も購入する人がたくさんいます。これは自宅でクリスマスの食事の時に食べたり、プレゼントにしたりもするそうです。そのため自宅用に丸ごとのハモンをセットする台も売られているから驚きです。




日本で生ハムというとイタリアのプロシュートの方が有名かもしれません。プロシュートの方が塩分が低く甘みがあり、ハモンはプロシュートよりも少し塩気が強く熟成期間が長いためよりコクのある凝縮した味になります。

スーパーに行くと、すでにスライスしてある数種類の生ハムがセットになって売っていますので、ホテルで少しずつ試すにも便利です。スペインを訪れた際には、ぜひスペインの生ハムを味わってみてください。


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