スペインでも、他の多くの国と同様に2月14日のバレンタインデーには男性から女性にプレゼントを贈り、多くのカップルがロマンチックなレストランで外食します。プレゼント用にたくさんの生花やギフトが店頭に並ぶ日です。

しかし、バルセロナのあるカタルーニャ地方では、愛を祝う日は2月14日のバレンタインデーだけではありません。4月23日の「サン・ジョルディの日」は、「本の日」とも呼ばれ、親しい人に本を贈る風習があります。

サン・ジョルディは、ドラゴンを退治して姫を救ったという伝承を持つキリスト教の聖人で、カタルーニャ地方の守護聖人です。4月23日はこの聖人の命日であり、カタルーニャ地方ではこの日に男女が赤いバラを贈り合うという伝統が昔からありました。では、なぜ本を贈る習慣ができたのでしょうか。この日は、「ドン・キホーテ」の作者であるミゲル・デ・セルバンテスの命日、さらにシェイクスピアの命日でもあるため、カタルーニャ地方の本屋が、文豪の縁とサン・ジョルディの日を結び付けて、この日に本を贈るというプロモーションをはじめたのだそうです。

もともと、男性は女性に赤いバラを、女性は男性に本を贈るとされていましたが、今では男性からも女性からも本に1本の赤いバラの花を添えてプレゼントすることが多いようです。バルセロナではサン・ジョルディの日には、たくさんの本屋と花屋のスタンドが並び、大変賑わいます。




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