スペインではソーセージやチョリソーなど、豚の腸詰め料理がいくつかあります。その中でも、モルシージャ(morcilla)と呼ばれる黒いソーセージがあります。なぜ黒いかというと、血が入っているから。スペイン人に聞くと、嫌いな人は大嫌い、好きな人は大好きというように、好き嫌いがはっきりと分かれるようです。
ヨーロッパの他の国々でも血の入ったソーセージは食べられていますが、スペイン国内だけでも地域によってさまざまな種類のモルシージャがあります。
最も有名な「モルジージャ・デ・ブルゴ(Morcilla de Burgo)」は、肉を使用せず、玉ねぎ、米、ラード、数種類のスパイス、そして豚の血で作られています。「モルジージャ・デ・イベリコ(Morcilla de Iberico)」はイベリコ豚の肉と脂、血、玉ねぎ、数種類のスパイスでできています。玉ねぎと豚の血から作られた「モルシージャ・デル・レオン(Morcilla de León)」は食べるときに皮を取り除いて、中のペーストをパンなどに塗り広げて食べます。
なんと、甘いモルシージャもあるんです。「モルシージャ・ガジェガ(Morcilla Gallega)」には、りんご、レーズン、ドライイチジクなどのフルーツ、ラード、砂糖、松の実、スパイスなどが一緒に調理されて腸詰めにされています。
モルジージャは通常はフライパンで焼いて食べたり、白いんげん豆と煮込み料理にしたりします。燻製になっていて焼かずにそのまま切って食べるタイプもあります。モルジージャ専門のバルもあるくらい、種類も食べ方も豊富なのです。
私はバルや肉料理のレストランに行ったときに食べるくらいで、スーパーで買って家で食べることはありませんが、スペイン人のお宅でバーベキューをしたときには、他のお肉やソーセージと一緒に焼いていました。
スペインに来たときには、モルジージャを一度お試しあれ。
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