イタリア南部カラブリア州とバジリカータ州をまたいで、ポッリーノ国立公園が広がっています。
数々の洞窟、ここにしか生息しない動物や植物、まさに山紫水明の地といってよいでしょう。
国立公園にあるパパシーデロという町の近くに、有名な「ロミートの洞窟」があります。
ここには、1万6千年前の人類が残した牡牛の姿が残っているのです。
この牡牛、その愛嬌のある姿から、「ボス」の愛称で親しまれています。
ロミートの洞窟に隣接するように、B&Bがあります。
そこに宿泊した私たちは、宿の主人から洞窟発見に関するエピソードを伺いました。
ご主人によると、彼の曽祖父が戦後にこのあたりの土地をタダに近い価格で購入、開拓中に見つけたのがこの洞窟であったそうです。
その牡牛の姿を見たご主人の曽祖父は、これはただものではないと実感してすぐにフィレンツェ大学の考古学者に連絡したそうです。
まもなく、この洞窟内から旧石器時代の遺物や墓が次々と発見され大ニュースとなりました。
今もうっそうとした森の中にたたずむロミートの洞窟、内部に入るとひんやりと涼しく真夏の暑さも忘れます。
大自然を求めてこのあたりにやってきたイタリア人たちも、しばし悠久の古代に思いをはせていました。
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