スペインでは都市ガスはまだ一部しか普及しておらず、プロパンガスが広く使われています。日本でもプロパンガスを使用しているところもありますが、スペインでは日本のようにガス屋さんが勝手にタンクを交換してくれません。スペインのガス事情はなかなかアナログなのです。
セビリアの郊外にある私のアパートでは、お湯を使いたい時は毎回チャッカマンでガスの火種をつけなければいけません。そして少し不便なのがガスが切れるときです。中でも一番厄介なのはシャワーを浴びている最中に切れる場合で、そうなると一旦シャワーから出てキッチンにあるガスタンクを交換しなければなりません。
一度その事をガス屋さんに愚痴気味に話した事があるのですが、ガス屋さんは「そのために旦那さんがいるんだよ」と笑って答えてくれました。「お風呂からガスが切れたよー!って旦那さんに叫ぶだけでいいんだよ」と。何ともスペイン人らしいのんびりとした解決法でした。
さてそのガスタンクの買い方なのですが、これまたとてもアナログです。私の住んでいる地域では週3回ガス屋さんがトラックにタンクを積んでやってきます。ガス屋さんが来たら私は5階のアパートの窓から手を振りガスが必要な事を伝えます。気づいてもらえない時は大声で呼んだりもします。
そして何と言ってもすごいのはこのガス屋さんで、エレベーターのないアパートの5階まで約26キロのタンクを肩に乗せて階段で上がってきます。それもすごい速さでノンストップで上がってきます。これは簡単に出来る仕事ではないと尊敬するばかりです。
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