北米を代表する豆料理の1つに「チリコンカン」があります。
大豆をトマトやひき肉などと一緒に煮込んだ料理で、アメリカ・テキサス州では「州の料理」と認定しているほどです。
そのため、チリコンカンというとアメリカ料理というイメージを持っている人も多く、実際にアメリカの人気料理ともなっています。

しかし、この料理の起源はメキシコです。
アメリカ料理となってしまった背景には、かつてこの料理が盛んに食べられていた、メキシコの北部(現在のアメリカのニューメキシコ州やアリゾナ州など)がアメリカに併合されてしまったためです。
チリコンカンの語源はスペイン語の唐辛子を意味するチリ、肉を意味するカーン、コンは含むという言葉からできています。
つまり、メキシコ人にとってみるとアメリカに取られてしまった料理という印象が強く残っています。
チリコンカンには深い歴史があり、そこにはメキシコの一部がアメリカに取りこまれてしまった悲しい物語が隠されています。


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