プリヤ・カンは、アンコール遺跡の一つで、12世紀後半、ジャヤヴァルマン7世によって建立されたバイヨン様式の仏教寺院です。チャンパ(タイ)軍との戦いに勝利を収めたことを記念して建てられたものです。プリヤ・カンはクメール語で「聖なる剣」という意味です。






プリヤ・カンは仏教寺院として作られましたが、当時のアンコールの情勢から、ヒンズ教の要素も各所に残されています。






訪れた日は、雨上がりの朝で、朝日を浴びて輝いて見えました。参道の両側には、リンガのような彫刻が並び、正面は西塔門が3基並んでいます。
環濠には、ナーガを引き合う神と阿修羅像






アンコール・トムを建設したジャヤヴァルマン7世によってバイヨン様式で建立されていますが、塔門にはアンコール・トムのような四面仏はありません。

デバター(女神)がお出迎えしてくれます。






寺院は回廊が交差して、奥行きがあります。






テラス






こちらは、中央祠堂のストゥーパ。ストゥーパとは仏舎利(釈迦の遺体・遺骨、またはその代替物)を安置した塔、仏塔のことです。

この仏塔ですが、中国・朝鮮を経て日本へ伝わるうちに、木造建築で作られるようになり、日本では五重塔・三重塔・多宝塔などの建築物となっています。
同じ意味のものでも、場所によって形がずいぶん違うのが面白いですね。






壁面には細かい彫刻が施されています。こちらの彫刻は天女アプサラが踊り、この寺院を祝福しているようです。






この寺院には、珍しい2階建ての遺跡があります。こちらはかつて図書館だった場所で、1階は円柱、2階は角柱となっており、カンボジアでは丸い石柱はとても珍しいものです。苔むしていて、雰囲気がありますね。






この寺院は、仏教大学の意味合いで作られた寺院のため、寺院は広く、最盛期には10万人もの人が運営に当たっていたと云う記録があるそうです。

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