パリで街ゆく人を眺めていて思うのが、よく焼けた肌のおばあちゃんが多いこと!フランス人は何歳になっても、ショートパンツや膝上のスカートなど、年配の日本人なら少なからず抵抗感を感じてしまう服装も堂々と着こなします。そして、そこから覗く肌はこんがり焼けているんです。それは一昔前の上流階級のトレンドからきています。



フランス国内で人気のリゾート地といえば南仏のコートダジュールですが、パリジャンにとってコートダジュールは、「あこがれの地」「優雅なバカンス」のようなイメージが強くありました。

現在では交通機関が発達して簡単に行けるようになり、定番のバカンス先となっていますが、以前はそうではなかったんです。コートダジュールでのんびりバカンスを過ごせるのは富裕層だけであり、焼けた肌はコートダジュールでバカンスを過ごしたことの証のようなもの。つまり、自分はお金持ちであると見せつけることができる一種のステータスのようなものだったんです。そんな時代に日焼けをしまくった富裕層パリジャンがおばあちゃんとなったため、パリでは焼けた肌のおばあちゃんがよく見られるんです。

今では、バカンスの行き先は世界中に広がり、旅のスタイルもさまざまな選択肢があるため、このような感覚は過去のものとなっています。しかしパリジェンヌの日焼け好きは引き継がれていて、天気のいい日には公園などで水着で寝そべり肌を焼く姿がよく見られます。フランス人にとっては、真っ白い肌よりも焼けた肌のほうが健康的で社会的にもいい印象を与えるためです。日本では色白ブームが長く続いており、正反対の文化なのがおもしろいですね。

Copyright(C) wowneta.jp