美しい山並みが特徴のアブルッツォ州は、イタリア中央に位置する州です。
州都ラクイラから南東に50kmほど行くと、パチェントロという小さな町があります。
人口はわずか1000人強という小さな町ですが、その起源は8世紀にまでさかのぼります。
中世の海賊サラセン人たちから逃れた当時の人々がここに町を作ったのだそうです。
かつてはナポリ王国の支配下にあったようですが、現在も残る城砦を築いたのは、ローマの貴族でローマ教皇も輩出した名門、オルシーニ家でした。
その後、教皇ピウス2世の実家であるピッコローミニ家によって増築されて、当時の山城としてはかなり規模の大きなものになりました。
パチェントロの城砦には、2本の塔が残っています。
1つは「王の塔」と呼ばれており、現在も上まで昇ることができます。
もうひとつの「幽霊の塔」は保存状態が悪く外からの見学のみです。
青空に映える塔はとても美しく、後方の山の緑ともマッチして素敵な光景です。
石造りの城の一部は、当時の貴族たちの紋章が飾られて、まるで映画のような雰囲気を漂わせています。
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