イタリア人の海への愛はとてつもないほど大きく、夏のバカンスともなれば富める者も貧しき者も海へと向かいます。
特に人気なのが、カプリ島やイスキア島、シチリア島やサルデーニャ島といった島でのバカンスです。

イタリア本土にも美しい海岸は多いのですが、島でのバカンスはイタリア人にとってステイタス、多くの人が船で海を渡るのです。
ローマからそれほど遠くないににもかかわらず、こうしたバカンスとはあまり縁のない島、それがヴェントテーネという島です。




この島の不人気の理由はまず、海水浴を楽しめる浜が少ないという点にあります。
非常に小さな島であるため、海水浴場を設置できる場所がまず確保できないのだそうです。

そしてこの島は、古代ローマ時代には流刑の島でもありました。
ローマ皇帝位を争って敗れた人々が、この島に流されて生涯を終えているのです。
その一人には、初代皇帝アウグストゥスの娘ユリアもいます。
風光明媚な島の風景に潜むこうした歴史がまた、そこはかとない寂寥となって島に漂っているかのようです。

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