「日本三大祭り」の特徴とは?

長い歴史を持ち、その文化価値も高いとされる「日本三大祭り」。それは、東京の「神田祭」と京都の「祗園祭」、そして大阪の「天神祭」といわれています。

日本で有名なお祭りといえば、青森の「青森ねぶた祭」や、徳島の「阿波おどり」、高知の「よさこい祭り」など、地方で開催されるお祭りも思い浮かびますが、日本三大祭りは東京・京都・大阪と大都市に集中しています。

この3つの都市に共通するのは、古くから日本の要所として栄えた場所であるということ。本来、お祭りとは、地域を守る神様への奉納と祈願の儀式です。東京・京都・大阪はかつて都や幕府が置かれた場所であり、政治や人々の暮らしの平穏無事を祈る目的で、祭礼が執り行われてきました。

東京「神田祭」

(C)東京観光財団

「神田祭」は、東京都千代田区の神田明神のお祭りです。江戸・東京を代表する祭りとして「天下祭」とも呼ばれ、江戸幕府の庇護を受けて発展しました。

神田祭は毎年5月に開催され、奇数の年の「本祭」と、偶数の年の「陰祭」の2つの祭礼に分かれます。

一般的な神田祭とは本祭の方を指し、2年に1度、平安時代の装束を身に付けた500人もの行列が三祭神(だいこく様、えびす様、平将門様)の山車を引いて街を歩く「神幸祭」や、全108もの周辺各町による活気あふれるお神輿が披露されます。

京都「祗園祭」

京都・八坂神社の祭礼である「祇園祭」は、平安京での疫病退散を祈願した祇園御霊会(ごりょうえ)が始まりです。実に1000年以上もの歴史がある祭礼で、祭り期間は7月1日の「吉符入」から、7月31日の「疫神社夏越祭」までの1カ月に及びます。

なかでも、7月17日は前祭、7月24日は後祭と呼ばれ、神輿と34基の山鉾巡行は必見。山鉾行事はユネスコ無形文化遺産にも登録されており、夜には提灯に明かりが灯され、山や鉾が夕闇に浮かび上がる「宵山」も楽しめます。

大阪「天神祭」

(C)大阪観光局

「天神祭」は大阪天満宮のお祭りです。天満宮といえば、学問の神様・菅原道真を祀る神社で、日本全国にありますが、大阪天満宮では951年の頃から「鉾流神事(ほこながししんじ)」が執り行われ、「鉾と共に穢れを川に流す」という意味を込め、堂島川に浮かべた船の上から白木の鉾を流す神事が現在にまで伝わっています。

祭りは6月下旬から7月25日にかけて行われ、神輿などを担いで歩く「陸渡御(りくとぎょ)」、大川の水上を船で航行する「船渡御(ふなとぎょ)」などの伝統行事のほか、女性だけで神輿を担ぐ「ギャルみこし」、奉納花火大会なども開催され、華やかさと熱気あふれる大阪の夏の風物詩となっています。

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