インドネシアの経済は、ここ数年右肩上がりです。
経済の発展に伴い、各家庭にはバイクが何台もあり、車を持つことも普通になってきました。
バリ島の東に位置するのどかな島、ロンボク島にもその波は来ています。
ロンボク島では、今でも人や荷物を運ぶ馬車「チドモ」が街を走っています。
ところが、そのチドモが廃れていきつつあります。
大きな荷物も運べるチドモは、市場へ買い出しに行く主婦や年配の方たちの大切な足です。
今でも毎朝市場の周りには、チドモがたくさん集まっています。
ですが午後からはその数が減り、走っているチドモを見かけることは少なくなってきています。
チドモはバイクや車と同じ公道を走っているのですが、もちろんスピードが遅いので、チドモの後ろには渋滞ができることもしばしば。
そんな時はついイラっときてしまうのですが、その度に思い出す友人の言葉があります。
「私はチドモのせいで渋滞になっても、イライラしないようにしているの。だってチドモが走っているこののどかな風景を、無くしたくはないからね。」
経済発展という波の中で、古き良き時代の乗り物となりつつあるチドモ。
いつまでも庶民の大切な足として残ってほしいと、願わずにはいられません。
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