パリの主な交通手段といえばメトロですが、2023年にメトロの料金が値上げされることが決まりました。パリ市内を走るバスとRER(パリ近郊列車)もメトロと同一の切符なので、こちらも同様に値上がりすることになります。



パリ市内のメトロ・バス・RERのチケットは、一律料金で現在1,9€(約270円)。
2023年1月からは、これが2,1€(約300円)へと値上がりします。

そして「カルネ」と呼ばれるチケット10枚セットも同様に料金が変わります。カルネは現在14,9€(約2150円)のところ、17,9€(約2580円)へと値上がり。

カルネはチケットを1枚ずつ購入するよりお得な料金に設定されているので、観光客や定期券を持たないパリ市民に人気のチケット。しかし、日本から観光に訪れる方にとっては、円安の影響もあってかなりの痛手となります。

パリでは、毎日メトロなどを利用する学生や社会人は「ナビゴ」と呼ばれる交通カードを使用するのが基本です。そしてこのナビゴもチケットと同様に値上がりします。現在のナビゴは月額75,2€(約10,800円)ですが、2023年1月分より84,1€(約12,100円)へと値上がり予定です。



値上げの理由はおもに3つです。まずは世界的なエネルギー価格の高騰。それから新しい路線や既存路線の延長などにかかる費用のため。そして、コロナウィルスの影響で膨れ上がった借金の返済のため、というのが3つ目です。

エネルギーの高騰やコロナウィルスの影響など避けられない問題もあり、理由としては納得できます。しかし、普段から遅延や運行中断が頻繁に起こることで、メトロに対するパリ市民の信頼度はすでに地に落ちています。そこへ料金の値上げが発表されたことで、パリ市民は怒り心頭。せめて値上げに見合うサービスを提供して欲しいというのが切実な願いです。

Copyright(C) wowneta.jp