フランスを観光する際、気を付けるべき点の1つに「車」が挙げられます。
都市部・地方に関係なく、運転の荒さはなかなかのものです。
横断歩道では周囲の景色に目を奪われ、前の人が渡り始めたからといって無防備にそれについて行ってはいけません。
実は自分の側はまだ赤信号で、信号の変わり際に数珠つなぎに通り抜けていく数台の車に遭遇しかねないからです。
また、車は移動できれば見てくれはそれほど気にしない、修理代は節約!と思っている人が多いようで、塗装が剥げていたり、バックミラーの根元やバンパー、トランク等々ガムテープで補修して走っている車がたくさんいます。
ところでそんな車が歩行者や対向車への注意喚起以外の意図でクラクションを鳴らす機会がいくつかあります。
まずは渋滞で車が進まない、青信号になったのに先頭者がすぐに発進しない時。
次が役所や教会で結婚式を挙げたばかりのカップルと参列者が、ただいま車で移動中です、という知らせのクラクション。
この場合は大抵リボンなどで飾られた車が目につき、正装した人たちが中に納まっています。
そしてもう1つがサッカー等の大きな大会で勝利が決まった瞬間です。
2022年12月、カタールでワールドカップサッカーの熱い試合が繰り広げられました。
この時、フランスチームの決勝進出が決まった夜の町は、熱心なサッカーファンとイベントに乗じた人々で湧きました。
何台ものクラクションの音に道行く人が振り向くと、両サイドに大きなフランス国旗がはためかせた車が通り過ぎていきます。
またドア窓に腰かけて(つまり半身以上乗り出して)雄たけびをあげる人や、窓を全開で流す音楽に合わせて歌うグループなどが通常運転の車の合間に現れては過ぎ去っていくというちょっとしたパレードのような光景です。
数日後の日曜日、決勝でフランスの2位が確定した際の通夜のような静けさと翌日のけだるい空気がまた対照的な風景となる2022年のイベントでしたが、ひと段落後は皆年末行事に向かってせわしなく行動を再開しました。
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