<W解説>サッカー・韓国代表、連続逆転Vでアジアカップ4強入り=その戦いぶりにファンがつけた呼び方は?
<W解説>サッカー・韓国代表、連続逆転Vでアジアカップ4強入り=その戦いぶりにファンがつけた呼び方は?
カタール・ドーハで行われているサッカー・アジアカップで、韓国代表は今月2日の準々決勝でオーストラリアと対戦し、延長戦の末2-1で逆転勝ちした。韓国はサウジアラビアとの決勝トーナメント1回戦も敗戦が濃厚の中、後半アディショナルタイムに同点に追いつき、PK戦を制して勝利している。2試合連続の劇的な快勝劇に、韓国のサッカーファンの間ではその戦いぶりについて「ゾンビサッカー」との呼び方が定着しつつある。

ソン・フンミン の最新ニュースまとめ

韓国代表は今大会、1960年大会以来、64年ぶりの優勝を目指している。ここまでは苦難の連続で、先月25日に行われたグループリーグE組の対マレーシア戦では3-3で引き分け。FIFAランキング130位(韓国は同23位)のマレーシア相手にドローで終わったことに衝撃が広がった。

韓国は同組首位から陥落し2位で決勝トーナメント進出となったが、首位で通過した場合、決勝トーナメント初戦は日韓戦となっていた。韓国では常に関心が高い「日韓戦」だが、実現しなかった対戦カードをめぐって、ネット上では様々なコメントが上がり、中には、韓国が日本との対戦を意図的に避けたのではないかとの投稿もみられた。こうした見方に、韓国代表のエースFWソン・フンミン(孫興民)選手らは不快感を示しながら明確に否定。孫選手は記者会見で「多くのファンがソーシャルメディアなどで、やや度が過ぎる発言をしているが、つらい。すべての選手に家族がいて、友人、同僚がいる。そのような言葉を聞くと胸が痛む。サッカー選手である前に人間だ。選手たちをもう少し大切にしてほしい。記者の方々、サッカーファンにもぜひお願いする」と話した。また、韓国メディアのOSENによると、孫選手は海外メディアの取材にも「日韓戦回避」の見方に「NO!それは真実ではない」と怒りをあらわにし、明確に否定したという。OSENは「(孫選手は)韓国代表チームの主将として、日本より格下との評価を受けることに対してプライドが限界に達した表情だった」と伝えた。

グループリーグ1勝2分と苦戦し、E組2位での決勝トーナメント進出に、当時、ユルゲン・クリンスマン監督も批判を浴びた。サッカー専門メディア「FOOTBALL ZONE」によると、英メディア「90min」のショーン・ウォルシー記者は自身の公式X(旧ツイッター)で「正直信じられない結果だ。ユルゲン・クリンスマンは韓国で一体何をしているんだ?」とポスト。OSENもこのポストを紹介しながら「韓国は大会前にグループリーグで3戦することが目標だったが、2勝すらできなかった。王者を目指す韓国にとって、この試合の内容は問題だった。韓国はアジアカップのグループリーグ3試合で6失点を許した。これはアジアカップのグループリーグで最も多い失点数だ」と酷評した。

60年ぶりの優勝に暗雲が立ち込めた韓国だったが、決勝トーナメント1回戦、準々決勝は激闘の末に勝利し、4強入りした。先月30日に行われた決勝トーナメント1回戦では、後半アディショナルタイムまで0-1とサウジアラビアにリードを許し、敗戦が濃厚となる中、執念の同点ゴールで追いつき、延長戦を経てPK戦を制し、準々決勝に駒を進めた。

2日に行われた準々決勝の対オーストラリア戦では前半42分に先制点を許し、その後、好機を生かせない苦しい時間が続いたが、後半アディショナルタイムに孫興民選手が得たPKをファン・ヒチャン選手が決め同点に。延長前半14分に孫選手がFKを決めて勝ち切った。

2試合連続の劇的な快勝劇に韓国は沸いている。ここまで、崖っぷちで生き残って危機を乗り越えてきた代表チームの戦いぶりについて、SNS上などでは「ゾンビサッカー」との呼び方が定着しつつある。

韓国は7日午前0時(日本時間)に行われる準決勝でヨルダンと対戦する。韓国メディアのイーデイリーによると、サッカー統計・記録専門メディアの「Opta」はヨルダン戦の勝利確率は69.6%と分析した。準々決勝後、孫興民選手は「優勝という一つの目標に向かって進んでいく」と力を込めた。

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