<W解説>時を同じくして、韓国でまたも巻き起こっている2つの「旭日旗騒動」
<W解説>時を同じくして、韓国でまたも巻き起こっている2つの「旭日旗騒動」
韓国メディアによると、国際パラリンピック委員会(IPC)が公式ユーチューブチャンネルで配信したパラアイスホッケー世界選手権の試合の映像で、日本の選手が旭日旗のロゴとともに表示テロップで紹介されたとして、大韓障害者体育会は30日、IPCに抗議することを決めた。韓国では旭日旗を日本帝国主義の象徴と見る向きがあり、韓国国民の多くは嫌悪感を抱いている。旭日旗をめぐっては、スポーツの場でも、これまで幾度となく論争が起きてきた。

物議を醸しているのは、IPCの公式ユーチューブチャンネルが今月9日に配信したパラアイスホッケー世界選手権Aプール韓国対日本の試合の映像。日本の選手を紹介する際に表示されたテロップで、日本を示す「JPN」の文字の上に旭日旗が表示された。聯合ニュースによると、大韓障害者体育会はこれを問題視。関係者は、聯合の取材に「IPCに抗議の書簡と共に再発防止要請を行う計画」と明らかにした。

韓国では、旭日旗は「第2次世界大戦当時、アジア侵略に使用された日本軍の旗であり、多くの国に歴史の傷を思い起させる明白な政治的象徴」と捉えられている。こうしたことから、韓国ではこれまで幾度となく「旭日旗騒動」が起こってきた。2021年に開かれた東京五輪を前にしては、2019年に韓国国会の文化体育観光委員会が、東京五輪の競技会場で旭日旗を持ち込んで応援することなどを禁じるよう、国際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会に求める決議を採択した。この問題に対しIOCは同年、韓国政府から旭日旗の持ち込み禁止を求める書簡を受け取った際、「五輪で問題が生じた場合はケースバイケースで対応を検討する」と返答。韓国側からは、事実上、旭日旗の使用が認められたものだと反発が上がった。大会組織委員会も「旭日旗のデザインは日本国内で広く使用されているものであり、それ自体が政治的主張や差別には当たらないことから、持ち込み禁止には該当しない」と主張した。その後、東京五輪は新型コロナウイルスの感染拡大により無観客での開催が決まり、当時この決定を報じる韓国メディアの記事の中には、「(競技場で)旭日旗を見ることがなくなったことも幸いだ」と論評する記事も見られた。

また、東京パラリンピックをめぐっては、韓国はメダルが旭日旗を連想させるものだと主張。IPCに対し、デザインの変更を要請した。しかし、IPC側はメダルのデザインは日本の扇を表現したものだとして変更要請を拒否した。

一方、昨年12月、国際サッカー連盟(FIFA)のワールドカップ公式SNSのアカウントで日本の選手を紹介する画像の背景に、一時、旭日旗が使われた際には、韓国のネットユーザーらからFIFAに抗議の声が相次いで寄せられ、その後、画像は旭日旗が削除された。

だが、旭日旗騒動は近年エスカレートしており、著名人が着ている服の柄や、企業の宣伝看板のデザインなど「旭日旗に似ている」という理由で一部の韓国人が度々問題提起している。最近では、カナダ在住のある韓国人が、バンクーバーの有名なビール会社が新たに発売した缶ビールのパッケージデザインに旭日旗の模様が使われていると主張。会社側に抗議したという。会社は謝罪し、新デザインに変更した。

また、今月にはIPCのユーチューブチャンネルの試合映像とは別に旭日旗騒動が時を同じくして物議を醸している。27日、あるインターネットのコミュニティサイトに「韓国の道路で旭日旗車両を目撃した」との投稿があった。掲載された写真からは、高級外車のリアガラスに旭日旗のステッカーが2枚貼られているのが確認できる。投稿者は「韓国人として我慢できない」とコメントした。ネット上では「車の持ち主は日本人なのか?」「韓国に親日派が多すぎる」などと言ったコメントが上がっている。

また、投稿者は「通報する方法はあるのか」とも書き込んでおり、この一件に対し処罰感情を抱いていることがうかがえるが、韓国において旭日旗に関連する処罰法は存在しない。しかし、首都・ソウル市には日本の植民地時代を連想させる象徴物の公共の場所での使用を禁止する条例がある。今回、投稿された写真がどこで撮影されたかは定かではないが、ソウル市内で撮影されたものであれば、条例違反になる恐れがある。

一方、この条例をめぐっては、先月、与党「国民の力」所属のソウル市議19人が同条例の廃止を発議し物議を醸した。市議たちは「既に市民には反帝国主義の意識が十分にあり、帝国主義の象徴物に対して拒否感を持っているため、条例で規制するのは行き過ぎだ」と主張した。しかし、これには批判が殺到し、当時、同党トップだったハン・ドンフン(韓東勲)非常対策委員長も「党の立場に完全に反する」とすぐに火消しに乗り出した。結局、この発議は一日で撤回された。一連の騒動は日本でも報じられ、ネットユーザーからは「勝手に禁止して、勝手に容認して、勝手に揉めている」「勝手に戦犯旗とかいう謎の概念をつくって自分たちで攻撃して非難し合って何をしているんだろう?」などと冷めた声が上がった。

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