結団式には、出場選手のほか、ハン・ドクス首相や文化体育観光部(部は省に相当)のユ・インチョン長官、大韓体育会(韓国オリンピック委員会)のイ・ギフン会長らが出席した。ハン首相は「パリ五輪に向けて力強く出発する皆さんを心からお祝いする。韓国国民は全ての選手を熱烈に応援し、政府は全力をあげて支援する」とした上で、「長い時間磨き上げてきた技量を思う存分披露してほしい」と激励した。
韓国は今大会の出場権争いで団体球技の不振が続いた。サッカー男子は4月、パリ五輪アジア最終予選を兼ねたU-23(23歳以下)アジア・カップ準々決勝でインドネシアに敗れ、10大会連続の五輪出場を逃した。当時、韓国メディアは「40年間続いてきた韓国のサッカーの五輪出場が途絶えた」(朝鮮日報)などと、驚きを持ってこの結果を伝えた。バスケットボールやバレーボールも出場権を獲得できず、韓国におけるスポーツの凋落を危惧する声が上がっている。韓国は1988年のソウル大会から前回の東京大会まで、団体競技には4~7種目出場してきた。朝鮮日報は4月に掲載の記事で「2016年のリオデジャネイロ大会では団体球技4種目、前回の東京大会には6種目に出場しながら、2大会連続でメダルなしに終わった。そして今やメダルどころか、五輪に出場することすら難しくなってしまった」と凋落の一途をたどる韓国の団体球技の実情を嘆いた。今大会、団体球技種目に韓国が出場するのは女子ハンドボールのみだ。
団体競技の競技力が伸び悩んでいる背景には「超少子化」「超学歴社会」が影響していると指摘されている。学校の部活動は部員不足で球技部の廃部が相次いでいる。また、親はスポーツよりも勉強を優先させる風潮が強いという。
今大会、韓国にとってメダル獲得が期待できる有力競技は伝統的に強いアーチェリーやテコンドーだが、アーチェリーでも波乱があった。前回の東京大会で3個の金メダルを獲得したアン・サン選手が3月の代表選考会で振るわず、出場権を逃したのだ。アン選手は東京大会で混合団体、女子団体、個人の3種目で金メダルを獲得。一つの五輪本大会で女子アーチェリー選手が3冠を達成したのは1904年以来の快挙だった。アン選手が出場権を逃したことに、韓国では当時、衝撃が走ったが、裏を返せばアン選手さえ出場が容易でないほど韓国のアーチェリーの選手層が厚いとも言え、今大会もメダル量産が期待される。しかし、先月トルコで行われたアーチェリーのワールドカップで、韓国は女子個人で出場全選手が準決勝進出を逃す結果に終わり、五輪前に暗雲が立ち込めている。
パリ五輪で韓国が掲げている目標は「金メダル5個、総合15位以内」とやはり控えめの設定だ。ちなみに前回の東京大会は「金メダル10個、総合10位以内」と設定。目標には届かず金メダル6個、総合16位だった。
現時点で、韓国国民の五輪への関心は今一つだ。そんな中、韓国のエンタメ企業HYBEは、K-POPコンサートでペンライトが使われることにヒントを得て、選手団を応援するための「チームコリアペンライト」5000個を製作した。形は聖火リレーのトーチを連想させる。大韓体育会(韓国オリンピック委員会)を通じて選手団と一般にそれぞれ提供する。大会期間中は、現地の応援拠点「コリアハウス」に同社所属アーティストの映像コンテンツを提供する計画もあるという。
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