<W解説>韓国・現代自動車が累計生産台数1億台を突破=今や世界を走る「HYUNDAI」車
<W解説>韓国・現代自動車が累計生産台数1億台を突破=今や世界を走る「HYUNDAI」車
韓国の現代自動車が累計生産台数1億台を突破した。1967年の創業から57年で大台を超えた。これは世界の主要な完成車メーカーの中で最速のペースという。韓国メディアによると、同社のチャン・ジェフン(張在勲)社長は「1億台という成果は、創業から今日まで現代自動車を支えて下さった顧客のおかげ」とコメントしている。

今や世界190以上の国や地域で販売展開している世界有数の自動車メーカー、現代自動車。世界の販売台数では、同社の高級車ブランド「ジェネシス」、傘下のKIAを合わせた現代自動車グループとして世界3位を誇る。

現代自動車は、現代財閥(現代グループ)創業者のチョン・ジュヨン(鄭周永)氏が1967年に設立した。米国の自動車メーカー、フォードから技術供与を受け、「フォード・コルティナ」のノックダウン生産を開始。その後、小型車の開発をめぐってフォードと軋轢(あつれき)が生じ、日本の三菱自動車と生産技術契約を締結した。そして1975年に韓国初の国産車となる「ポニー」を発売。最初の1年間で約1万台が生産され、当時の韓国の自動車市場におけるシェアの43.6%を占めた。「ポニー」の発売を機に同社は、韓国における自動車の大衆化を先導することとなり、1986年には同社の全車種の合計生産台数が100万台を突破した。

車種のラインナップも増やし、シェア拡大を図り、1998年には現代自動車を世界的ブランドに押し上げるため、イメージの一新策に着手した。1999年にはアジア通貨危機で経営難に陥ったキア(起亜)自動車を傘下に収め、現代・起亜自動車グループ(現代自動車グループ)となった。

2000年代には、2006年にストライキの影響で国内・海外での月間販売台数が初めてGMテウ(大宇)に抜かれた。中国や北米市場でも苦戦を強いられたが、翌2007年、現代・起亜自動車グループとしては、販売台数でホンダや日産を上回る世界5位となり、2022年には3位に浮上した。

現代自動車単体としては、2013年に累計5000万台を突破した。2015年に高級車ブランド「ジェネシス」を発売したほか、「アイオニック5」などの電気自動車(EV)の販売にも力を入れてきた。また、2020年には世界各国で使用されていた呼称を「ヒョンデ」に統一した。

昨年は売上高、営業利益、販売台数ともに創業以来最高の業績を記録した。好調は続いており、今年4~6月期は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比0.7%増の4兆2791億ウォン(約4720億円)となり、四半期ベースで過去最高だった昨年同期(4兆2483億ウォン)を上回って過去最高を更新した。売上高も同6.6%増の45兆206億ウォンで、昨年同期(42兆2332億ウォン)を上回り、四半期ベースで過去最高となった。当時、このニュースを伝えた聯合ニュースの記事によると、現代自動車の関係者は取材に「高金利による需要鈍化や主要市場での競争激化によるインセンティブ上昇など不確実な経営環境が続いているが、高付加価値の車種を中心とした販売、為替効果などで安定的な収益性を維持している」と説明した。

2020年に就任した現代自動車グループのチョン・ウィソン(鄭義宣)会長は、エコカーをはじめ、自動運転など新技術への大規模な投資を決定。現代自動車は今年8月、▼市場状況に機敏に対応するための「現代ダイナミックキャパシティー」▼多様なモビリティ事業拡張のための「モビリティゲームチェンジャー」▼水素社会への転換に備えるための「エネルギーモビライザー」を柱とする中長期戦略「現代ウェイ」を発表した。今後10年間で、未来モビリティ事業に120兆ウォン(約13兆円)を超える投資を行う方針という。2030年に年間世界販売台数555万台を達成する目標も掲げた。

こうした中、現代自動車は先月30日、ことし9月までの累計生産台数が1億台を突破したと発表した。現代自動車・起亜自動車としては2016年に既に累計1億台の販売を超えていたが、創業から57年にして、現代自動車単体でも大台を超えた。

同日、南東部のウルサン(蔚山)工場の出庫センターで1億台達成の記念行事が開かれた。1億1台目に生産された同社の代表的なEV「アイオニック5」が20代の購入者に引き渡された。
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