日本の環境省は5日、4~11月のクマによる人的被害が速報値で230人に上ったと発表した。記録が残る2006年度以降、年間で過去最多だった23年度の219人を既に上回っている。同期間の全国のクマの出没件数、捕獲数も記録が残る限り過去最多だった。韓国からの旅行者も被害に遭っている。9月、長野県松本市安曇の上高地で、韓国籍の男性観光客がクマ1頭に襲われ、頭部や顔面、腕をひっかかれるなどして重傷を負った。男性は上高地の観光名所、河童(かっぱ)橋から北へ200メートルの岳沢湿原の遊歩道を1人で散策中にクマと遭遇したとみられている。
日本でクマの被害が相次いでいることは韓国でも報じられており、韓国紙・ハンギョレが12日に掲載した東京支局特派員によるコラムでは、日本での深刻なクマの被害を伝えつつ、日本でクマの肉を食用に活用しようという動きが広がっていることを伝えた。
韓国では、クマの胆のう「熊胆」が昔から漢方薬として用いられてきた。「熊胆」は胃腸薬や鎮痛剤にも使われ、強壮効果など万病に効くとされる。野生のクマはほぼ絶滅したとみられており、業者は「熊胆」を目的に海外からクマを輸入し飼育している。だが、来年からクマの飼育が法律で禁止されることになっており、産経新聞が先月29日に掲載した外信コラムは、「熊胆」が来年から入手できにくくなる韓国では、「駆除後の処分に困っているという日本から安く輸入してはどうか」と街で話題になっていると伝えた。
クマに悩まされ続けてきた2025年の日本。日本漢字能力検定協会が12日に発表した、2025年の世相を表す「今年の漢字」も「熊」だった。「今年の漢字」は同協会がはがきやインターネットで全国から募り、毎年この時期に、最も多かった1字を「今年の漢字」に選んでいる。1995年に始まり、今年で30回目。今年は応募総数18万9122票の中で「熊」が2万3346票で最多だった。クマによる死傷者が相次いだことに加え、中国語で「大熊猫」と表記するジャイアントパンダが中国に返還されたことなども理由に挙がった。「今年の漢字」に「熊」が選ばれたのは初めて。12日、京都市東山区の清水寺で森清範貫主が和紙に「熊」と揮毫(きごう)した。森貫主は「熊」が選ばれたことについて「報じられていたので、印象は大きかったと思う」とした上で、「地球の環境が変わってきた。我々の身の回りに迫ってきていることを実感した」と話した。
韓国メディアも「熊」が選ばれたことを報じ、通信社のニュース1は「日本国民の生活と経済活動に影響を及ぼした様子を反映した一字だ」と伝えた。
一方、韓国では毎年この時期に、韓国の大学教授団体が発行する「教授新聞」が「今年の四字熟語」を発表している。今年は「変動不居」が選ばれた。全国の大学教授766人を対象にアンケート調査を行い、「変動不居」は33.94%(260人)で最も多かった。この熟語は変化の激しい世の中を意味する。同紙によると、この熟語を選んだ教授らは「大統領弾劾など、劇的な変化を経験し、不安が大勢として定着している」などと選定理由を説明しているという。韓国紙の東亜日報によると、ソウル大学自由専攻学部(東洋哲学)のヤン・イルモ教授は「政権が代わると政策が変わるが、原則がなければ付和雷同しやすい。柔軟に考え、遠くを見通しながら、変化する世の理を探求できる力を備えなければならない」と指摘した。
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