<W解説>韓国・国立中央博物館の来館者数が急増=国内外の人たちから注目を集める理由とは?
<W解説>韓国・国立中央博物館の来館者数が急増=国内外の人たちから注目を集める理由とは?
韓国・ソウルにある国立中央博物館の今年の年間入館者数が、今月11日、600万人を超えた。同館が人気を集めている理由について、韓国メディアは、米動画配信大手ネットフリックスのアニメーション映画「KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ」の世界的な人気の影響が大きいと報じている。同作品は韓国の伝統文化も描かれ、大きな話題を集めており、作中に登場するキャラクターは、同館でも展示されている「鵲虎図(じゃっこず)」からインスピレーションを得たという。

同館はソウル市ヨンサン(龍山)区にあり、国宝も多数所蔵するアジア最大級の博物館。旧石器時代から近代まで、幅広く作品を所蔵しており、韓国の歴史や生活文化、芸術を深く知ることができる。本館は東館と西館に分かれ、常設展示館には約9800点を展示している。これとは別に子ども博物館や野外展示場、企画展示室なども設置されている。1945年の開館以来、80年間の累計入館者数は1億84万81118人に上る。

英国に本部を置く美術専門誌「アート・ニュースペーパー」が、世界の主要な博物館や美術館の入館者数を調査したところ、同館の昨年の入館者数はフランスのルーヴル美術館(約873万人)、バチカン市国のバチカン美術館(約682万人)、英国・ロンドンの大英博物館(約647万人)に次ぐ4位だった。

今年も同館の来館状況は好調で、10月には年間の累計来館者数が500万人を突破。盛況ぶりに、ユ・ホンジュン館長は同月、「来館者数はプロ野球の観客並みに拡大した」と表現した。そして、今月11日、年間入館者数は600万人を超えた。公共放送KBSは「10月15日に500万人を超えてから、およそ2カ月でさらに100万人が訪れたことになる」と伝えた。600万人目はソウル近郊のソンナム(城南)市から訪れたノ・ヨンウクさん(40)で、家族4人で入館した。ノさんにはユ館長から記念品が贈られた。ユ館長は「600万という記録は、博物館に寄せていただいた信頼と愛情を示す象徴的な数字だ」とし、「より高い水準のサービスを提供し、韓国文化の中心としての役割をさらに強化していく」と話した。

同館が人気を集めている理由について、韓国メディアはアニメ映画「KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ」の影響が大きいと指摘している。同作品は世界的なエンターテインメント企業ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント傘下のアニメーション制作会社ソニー・ピクチャーズ・アニメーションが制作し、ネット配信大手Netflix(ネットフリックス)がオリジナルアニメ映画として今年6月に公開した。同作品では、歌の力で世界を守ろうとする架空のK-POPガールズグループ「Huntr/x(ハントリックス)」が、K-POPボーイズグループで悪霊の「Saja Boys(サジャボーイズ)」や古代の悪魔王・グウィマと戦う姿が全編にわたって描かれている。公開以降、瞬く間に人気を博し、8月下旬には累積視聴回数が2億3600万回を超えた。

作品には韓国の文化が様々描かれており、大ヒットを受け、米グーグルの検索トレンドでは、作品が公開された6月20日を境に「韓国(Korea)」の検索件数がほぼ2倍に跳ね上がるなど、韓国そのもののへの関心が一層高まった。また、作品では、主人公にメッセージを届けるキャラクターとしてカササギと虎が登場。カササギと虎は、朝鮮時代、庶民が日常の中で描いた民俗絵画・民画「鵲虎図(じゃっこず)」に描かれている。

国立中央博物館は「鵲虎図」を所蔵しており、同館には、「KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ」を見て韓国の伝統文化にも関心を持った人たちが多数訪れている。作品の関連グッズが購入できる館内のショップも大盛況という。

KBSによると、同館は「博物館が特定の関心層だけの空間ではなく、国民が日常的に楽しむ文化施設として定着していることを示している」としている。

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