三池観光地区は、中朝国境のペクトゥサン(白頭山)のふもとにあり、スキー観光地と位置付けられている。金氏はこの地域を山間部の「モデル地方都市」に発展させる考えを示し、2018年ごろから大規模な開発事業が進められてきた。金氏の思い入れは強く、それだけに、昨年7月、現地を視察した際は手抜き工事を指摘し、激怒。担当幹部が処分された。
同地区には五つのホテルが完成し、このほど、竣工式が行われた。現地を訪れた金氏はホテルについて「実用性と多様性、造形性と芸術性が高い水準で具現化されている」と満足感を示し、「三淵都市を国の観光文化を代表する革新的な文明都市へと一層立派に改変する」と改めて意欲を語った。現地で竣工式が行われたことは朝鮮中央通信が今月23日に大々的に報じた。公開されたミリョン(密営)ホテルの写真からは、「記者センター」と書かれた案内板も確認でき、今後、同ホテルを大規模行事や国際会議の会場として使用することも想定していることがうかがえる。
北朝鮮は各地で観光拠点化を推進しており、今年7月には、東部の元山に「カルマ(葛麻)ビーチリゾート」が開業した。ホテルのほか、スポーツ施設や商業施設などが整備された。当時、完工式に出席した金氏は、「文化観光の発展に関する(朝鮮労働)党と政府の方針を実現する道のりにおける、誇り高い第一歩だ」と喜びを口にし、観光産業について「地域振興を推進し、国家の経済成長に貢献する動力になる」とした。
地域経済の活性化に意欲を燃やす金氏は、2024年から「地方発展20×10政策」を展開している。同政策は、毎年20の市や郡に、住民の生活に必要な日用品や食料品、衣類などを生産する工場を国の負担で新設し、10年間で全国の市・郡を網羅させるというもの。地方での観光都市化事業も地域経済活性化策の一環だが、同事業には友好国からの観光客誘客が欠かせない。金氏も昨年9月、政権樹立76周年の記念演説で、「三池淵市を世界的な山岳観光地にしなければならない」と強調している。北朝鮮が現在、外部から観光客を受け入れている国はロシアのみで、今後、中国人観光客の受け入れ再開が焦点となる。中朝間では新型コロナウイルスの流行以降、旅客列車の運行が中断したままになっている。
こうした中、JNN(ジャパン・ニュース・ネットワーク)が23日に報じたところによると、北朝鮮が中国向けに作成した来年のカレンダーで、今年7月にオープンした前述の元山のビーチリゾートを大々的に宣伝していることが分かった。1月~12月まで、全てのページにビーチリゾートの写真が掲載されている。JNNは「現在、北朝鮮はロシア人観光客しか受け入れていないとみられるが、外交関係者の間では『来年、中国人向けに開放される可能性が高い』という見方があり、リゾート地をアピールすることで中国人観光客を呼び込み、外貨を獲得する狙いがあるものとみられる」と伝えた。
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