<W解説>新年の祝電をやり取りした北朝鮮の金総書記とロシアのプーチン大統領=2026年もロ朝の蜜月は続くか?
<W解説>新年の祝電をやり取りした北朝鮮の金総書記とロシアのプーチン大統領=2026年もロ朝の蜜月は続くか?
近年、関係を強化している北朝鮮とロシア。北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記とロシアのプーチン大統領は先月、新年を迎えるに当たり祝電をやり取りし、相変わらずの蜜月ぶりをうかがわせた。ロ朝は軍事協力を強化しており、北朝鮮は、ウクライナに侵攻するロシア軍を支援するため、2024年秋以降に約1万人、2025年9月以降に約5000人の北朝鮮軍兵士をロシアに派遣したとされる。一方、北朝鮮はロシアから様々な軍事技術の提供を受けているとみられている。2026年のロ朝関係はどうなるのだろうか。

ロ朝は2024年6月、「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結した。同条約では、ロ朝のどちらか一方が戦争状態になった際、軍事的な援助を提供することなどを明記している。北朝鮮は同条約に基づき、金総書記の命令でロシアに北朝鮮軍兵の派兵を続けてきた。北大西洋条約機構(NATO)の集計によると、北朝鮮軍はクルスク州に最大約1万3000人の部隊を展開し、ロシア軍によるウクライナ軍への攻撃などを支援している。また、これまでの派兵で約7000人が死傷した。北朝鮮はさらに、数万人規模の追加派兵を計画しているとされる。

先月には北朝鮮軍の工兵部隊が帰国。歓迎式が開かれた。兵士たちは、ロシア西部クルスク州で地雷の除去作業などにあたっていたとみられ、式典に出席した金総書記は「膨大な面積の危険地帯が短時間で安全地帯に一変する奇跡が成し遂げられた」「工兵戦闘任務で輝かしい戦果を勝ち取った」と兵士らをねぎらった。式典の様子は朝鮮中央テレビでも放送され、金氏が車いすに乗った兵士らに声をかけ、抱き合う場面もあった。一方、任務遂行中に9人が犠牲になったことも明らかになった。

北朝鮮がロシアに派兵を続ける中、ロシアは北朝鮮の兵器開発などを支援しているとみられている。先月25日、朝鮮中央通信は金総書記が、建造中の排水量8700トン級の原子力潜水艦を視察したと報じた。外観がほぼ整った潜水艦の写真も配信。韓国の聯合ニュースによると、韓国軍の関係者は取材に、この潜水艦の建造にあたり、ロシアから原子炉の提供や技術支援を受けた可能性を指摘した。

先月27日、金氏はプーチン氏に新年の祝電を送った。金氏は、ロシアとの関係について、軍事支援を念頭に「同じ塹壕(ざんごう、戦争において敵の鉄砲撃から身を守るために陣地の周りに掘る穴や溝)で血を分け、生死と苦楽を共にする真の同盟関係」と強調した上で、「今日の同盟関係は後世にも永遠に継承されるべき貴重な財産」と結束を強調した。これに先立ち、先月18日にはプーチン氏が金氏に祝電を送った。ロシア西部クルスク州に派遣された北朝鮮兵士について「不敗の友情を示した」と称賛。2025年はロ朝間で軍事的な協力を深め、特別な意義を持つ年になったと振り返り、「今後も同盟的な関係を強化し、地域と国際問題で協力を進めると確信する」と強調した。

さらに、ロ朝は新年の贈り物を交換した。ロシア外務省のマリヤ・ザハロア報道官が先月30日に明らかにしたところによると、金氏の妹のキム・ヨジョン(金与正)朝鮮労働党副部長から駐ロ北朝鮮大使を通じて新年の贈り物が届き、返礼として金副部長の肖像画を贈った。肖像画はロシアの著名画家のニカス・サフォロノフ氏が手がけたものだという。北朝鮮から贈られた物は明らかになっていないが、贈り物のやり取りを明らかにしたザハロワ氏のSNSの投稿には、大型の花瓶とみられる写真も添えられている。

2026年、ロ朝関係はどうなるのだろうか。韓国国家情報院が昨年9月の国会情報委員会に非公開で報告したところによると、北朝鮮が兵力派遣や武器提供の見返りとして期待していた食糧支援や軍事技術の移転などが当初の約束通りに果たされておらず、北朝鮮からはロシアへの不満の声が上がっているという。一方、ロシアからも、北朝鮮が提供する武器の性能に不満が出ており、こうしたことが今後、両国の関係にマイナスの影響を与える可能性がある。また、経済誌の東洋経済によると、北朝鮮の大学に留学経験があり、朝鮮半島問題に詳しい韓国・国民大学のアンドレイ・ランコフ教授は同誌のインタビューに、ウクライナ戦争終結後のロ朝関係を経済協力の観点から展望した。ランコフ氏は、戦争終結後のロ朝貿易と経済協力について、「今と同じ水準を維持できないだろう」と予想した。その理由としてランコフ氏は「ロシアと北朝鮮の民間経済が依然として相互補完性がないためだ」とし、「言い換えれば、北朝鮮が輸出できる品目の大部分は、ロシアでの需要がない。また、北朝鮮にはロシアが輸出する品目に対して正常な価格で購入する資金がない」と指摘した。

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