中韓関係は、2016年に米韓両政府は在韓米軍への終末高高度防衛(THAAD)ミサイル配備を決定して以降、停滞していたが、昨秋に韓国南東部のキョンジュ(慶州)で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ習主席が訪韓。中韓首脳会談が開かれ、修復に向けて動き出した。
この会談からわずか約2か月、今回は李大統領が国賓として訪中した。李氏は「今回の会談が、2026年を韓中関係の全面修復の元年にする重要なきっかけになるだろう」とした上で、「これから時代の流れと変化に歩調を合わせて、習主席と共に韓中関係発展の新しい局面を開いていきたい」と述べた。これに対し、習主席は短い間に2度の首脳会談が行われたことに触れた上で、「友人であり、隣人として韓中両国はより頻繁に往来し、活発に意思疎通を行っていかなければならない」とし、「両国の協力パートナーシップが健全な軌道に従って発展するようにすべきだ」と応じた。両首脳は産業や環境、知的財産権などの分野での協力強化に関する了解覚書(MOU)に署名した。
一方、会談で習主席は「韓国は、歴史の正しい側に立ち、正確で戦略的な選択を行う必要がある」と強調。「80年以上前、中韓両国は多大な民族的な犠牲を払って日本軍国主義との戦いで勝利を勝ち取った」とし、韓国に対し「第二次大戦勝利の成果や、北東アジアの平和と安定を共に守るべきだ」と訴えた。
中国は、高市早苗首相が台湾有事を「存立危機事態になり得る」とした国会での答弁以降、日本に圧力を強めている。日本への渡航を控えるよう国民に呼びかけたほか、国際社会に中国側の主張を広めようと宣伝を続けている。こうした中、韓国に対しては、対日歴史問題で共闘を呼び掛けている。李氏の訪中に先立ち、先月31日に行われた中国の王毅外相と韓国のチョ・ヒョン外交部長官(外相)との電話会談で、王氏は「今年は抗日戦争勝利80周年の年だ」とし、「日本の一部政治勢力が歴史を後退させようと試みており、侵略・植民犯罪を復権しようとする中、韓国が歴史と人民に責任を負う態度を持ち、正しい立場をとって、国際主義を守護すると信じている」と強調した。
日中関係の緊張が高まっている状況下、今回、韓国の李大統領を国賓として迎えた中国側の思惑について、朝日新聞は「李氏は今月中旬に訪日する方向で調整しており、それに先立って日韓関係にくさびを打ち込みたい狙いも透ける」と伝えた。毎日新聞は、「台湾問題について韓国の立場を自国寄りに引き寄せたい思惑があったとみられる」と指摘した。
韓国は日本とは良好な関係が続いており、また中国との関係では修復の流れが出てきただけに、李氏は日中のはざまに立たされた形だ。李氏は日中対立をめぐり、どちらにも肩入れせず、中立の立場で、韓国メディアによると、今回の中韓首脳会談で、対日共闘を呼び掛けた習氏に対し、李氏は「主権が奪われた時代には、互いに手を取り合い、共に闘った関係だ」と述べるにとどめ、日本を名指しすることは避けたという。李氏の日本への配慮がうかがえるが、中国外務省は李氏が「韓中が共に日本軍国主義の侵略に抵抗した」と述べたとしている。
韓国紙の朝鮮日報は6日付の社説で、「今回の首脳会談は世界秩序が激変する中で行われた」とし、「今こそ韓国にはバランスと冷静さが一層求められている」とした。
李氏も7日、中国・上海で開かれた同行記者団との懇談会で、「韓国にとっては、日本との関係も中国との関係と同じくらい重要だ」と述べ、バランスを取っていく考えを強調した。
Copyright(C) wowneta.jp
