<W解説>日本でも人気の「ブルダック炒め麺」、メーカーが模倣品対策=「Buldak」商標登録へ
<W解説>日本でも人気の「ブルダック炒め麺」、メーカーが模倣品対策=「Buldak」商標登録へ
韓国の食品大手、サミャン(三養)食品は、同社の人気商品「ブルダック炒め麺」の模倣品が出回っていることなどから、「ブルダック」ブランドの英文名称「Buldak」の韓国内での商標権を確保することにした。同社はこのほど出した新聞広告で「Buldakは三養食品が所有し築いてきた固有のブランド資産」と強調している。

同社は、韓国で初めてインスタントラーメンを発売した食品メーカーとして知られる。1963年に発売された「三養ラーメン」は、朝鮮戦争後の食糧難が続いていた韓国で、手軽に食べられる食品として創業者の故チョン・ジュンユン(全仲潤)氏が考案した。また、この「三養ラーメン」が生まれた背景には、国民の窮乏を救いたいというチョン氏の思いに日本の明星食品の奥井清澄社長(当時)が共感し、明星食品が技術を無償で提供したというエピソードがある。

一方、「ブルダック炒め麺」は、同社が2012年に発売した激辛インスタントラーメンだ。これまでチーズやカレー、キムチ、焼きそばなどシリーズ化され、40億個以上が販売された。この商品の発売がきっかけで、外国人が韓国の辛いインスタントラーメンに挑戦する「ファイヤー・ヌードル・チャレンジ」が世界的に広まった。動画投稿サイト「ユーチューブ」では、関連の動画が多数配信されている。また、ブルダック炒め麺は、チャパグリ(チャパゲティとノグリという2種類のインスタント麺を合わせたレシピ)のように、消費者が既存の製品をアレンジして、世の中にまだない製品を作る「モディシューマー(modify+consumer)」ブームを巻き起こした。さらに、一昨年6月には「ブルダック炒め麺」シリーズの3種類の製品が「辛すぎる」としてデンマークでリコール(回収)対象となり、このニュースが世界で報じられたことで「ブルダック炒め麺」に対する関心が一層高まることにもなった。

日本市場で同社は、2019年に日本法人を設立。ブルダック炒め麺については、日本国内でハングル・日本語の商標権を持っている。最近では大手コンビニ3社に、カルボナーラ、クアトロチーズなどの人気フレーバーが販売された。食品新聞によると、三養ジャパンのホン・ボムジュン(洪範準)社長は同紙の取材に「K-フード(韓国食品)への追い風がある中、市場で『ブルダック炒め麺』の認知と評価が高まり、新しい取引先の開拓が進んだ」とした上で、「当社製品は韓国のエンターテインメントなどを好む20~30代女性が多く購入し、ファンになっていただいている。(新規発売された)コンビニからは、男性ユーザー中心の即席めん売り場に新しいお客様を呼び込める商品との期待をいただけた」と話した。昨年はショッピングモールなどにキッチンカーを出して試食会を行うなど、ファミリー層や若年層などへのブランド浸透にも力を入れている。

K-POPや韓国ドラマなどの韓国文化ブームに後押しされ、同社の商品を含め、韓国産即席麺は世界的に人気が高まっている。昨年の韓国即席麵の輸出額は前年比21.8%増の15億2100万ドル(約2358億7100万円、暫定集計)で過去最高を記録した。同社は昨年、売り上げが初の2兆ウォン(約2143億73000万円)台を達成。南東部のミリャン(密陽)に第2工場も完成し、今年は3兆ウォン突破を視野に、さらなる供給力拡大を図る方針だ。

こうした中、同社はブルダック炒め麺の模倣品に頭を悩ませている。海外では2020年頃から模倣品が増加し、中国や東南アジア、米国のほか、最近では中東、アフリカでも確認されている。このため、同社は模倣品との差別化を明確にするため、「ブルダック」ブランドの英文名称「Buldak」の韓国国内での商標権確保に乗り出すことにした。国内で「ブルダック」の名称は一般名詞として広く使用されていることから商標登録が難しいため、英文商標で知的財産処(庁)に出願することした。また、通信社の聯合ニュースによると、三養が「Buldak」の商標をまず国内で確保することを目指す理由について、同社の関係者は「韓国で商標登録されていなければ海外で権利を主張するのが難しくなるため」と説明しているという。

Copyright(C) wowneta.jp