韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領は今月5日、ミラノ・コルティナ冬季五輪の韓国選手団を青瓦台(大統領府)に招いて開いた昼食会で、国際大会の中継放送のあり方を見直す考えを示した。
韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領は今月5日、ミラノ・コルティナ冬季五輪の韓国選手団を青瓦台(大統領府)に招いて開いた昼食会で、国際大会の中継放送のあり方を見直す考えを示した。
韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領は今月5日、ミラノ・コルティナ冬季五輪の韓国選手団を青瓦台(大統領府)に招いて開いた昼食会で、国際大会の中継放送のあり方を見直す考えを示した。韓国では、今大会の独占放映権を有するケーブルテレビ局JTBCが単独で中継を行った。地上波放送はなく、国民からは五輪やワールドカップといった国民的スポーツイベントについて「国民の90%が視聴できるべき」と定義する「普遍的視聴権」が侵害されたなどとして、不満が高まった。「1社の単独中継、地上波放送なし」が、今大会に対する韓国国民の関心低下を招いたとも指摘されており、李氏は選手たちが多くの国民の関心と応援の中で五輪の舞台に立てるよう、選手たちに制度改善を約束した。

韓国は今大会に選手71人を含む130人の選手団を派遣した。海外で開催される冬季五輪では最大規模だった。バイアスロン、ボブスレー・スケルトン、カーリング、リュージュ、スケート(フィギュア・スピード・ショートトラック)、スキー、スノーボードの6競技に代表選手が出場した。「金メダル3個以上、総合順位10位以内」を目標に掲げて臨み、金3、銀4、銅3の計10個のメダルを獲得。金メダルの個数は目標を達成した一方、総合順位は13位で、一歩届かなかった。

今大会、韓国はとりわけ10代~20代前半の若手選手が目覚ましい活躍を見せた。スノーボード女子ハーフパイプ(HP)で金メダルを獲得したチェ・ガオン選手もその一人だ。チェ選手はソウル出身の17歳。今季のワールドカップ(W杯)で3勝し、W杯ランキング1位で初の五輪に臨んだ。チェ選手は決勝で、1回目の試技では大きくバランスを崩し、着地に失敗。膝を強打してしばらく立ち上がれず、救急隊が駆け付け担架で運ばれる事態となった。2回目は一時、棄権の方針も示されたが、執念で競技を続行。最終3回目は完璧な試技を披露し、ただ一人90点超えを叩き出し、金メダルをつかんだ。韓国選手が冬季五輪のスキー種目で金メダルを獲得するのは初めてで、国内は歓喜に沸いた。メディアもこぞってこの快挙を伝えた。

しかし、チェ選手の金メダル獲得の瞬間を、韓国の多くの視聴者はリアルタイムで見ることができなかった。前述のように、今大会、韓国はケーブルテレビ局JTBCが独占放映権を有し、単独で五輪中継した。同局の本チャンネルは当時、スノーボードの中継を途中で打ち切り、ショートトラックへと切り替えた。スノーボードは同局のスポーツチャンネルで放送が続けられた。そのため、チェ選手の3回目の試技と金メダルが確定した瞬間を多くの視聴者がリアルタイムで共有できなかった。本チャンネルではチェ選手の金メダル確定のニュースを字幕速報するのみだった。これに視聴者からは「歴史的瞬間を見逃した」「初の金メダルが字幕だけとは」と批判が相次いだ。

同局は韓国紙・中央日報系のケーブルテレビ局。社名のJTBCは「中央東洋放送」(Joongang Tongyang Broadcasting Company)の略で、2011年12月に開局した。同局は2026年~32年までの冬季・夏季五輪と、昨年から30年までのFIFAワールドカップの単独放映権を確保している。地上波各局からの反発もあり、同局はその後、五輪中継をめぐり、KBS、MBC、SBSの地上波3局と、放送権の再販売に向けた交渉を行ったが、条件面で折り合いがつかず、結局、今大会は同局が単独中継することになった。韓国で五輪が地上波で放送されないのは初めてのことだった。

韓国ではケーブルテレビやIPTVなどの有料放送の加入率が90%を超えており、地上波のみでテレビを視聴する世帯は少数だ。そのため、JTBC側は大会前、地上波で中継が行われなくても、視聴のしやすさに大きな支障はないとしていた。しかし、同局による開会式の中継の視聴率は1.8%で、地上波3局が中継した前回の北京大会(18%)に比べ10分の1になった。高齢層を中心に、地上波に慣れ親しんでいた視聴者も多く、ケーブルテレビ局の同局による五輪単独中継は、結果的に韓国国民の五輪に対する関心低下を招いた。

韓国の放送法は、五輪やワールドカップ、アジア大会など「国民の関心イベント」について、「国民の90%が視聴できるべき」と定義する「普遍的視聴権」を保障するよう定めている。国民(視聴者)からは、今大会でこの権利が侵害されたと不満が高まった。

6月に開幕するFIFAワールドカップも同局の単独中継が予定されており、事態を重く見た李大統領は制度改善を指示。所管する放送メディア通信委員会が関連法の見直しに着手した。李氏は、5日に青瓦台の迎賓館に韓国選手団を招いて開いた昼食会でもこの問題に言及。李氏は「国民の誰もが手軽に国際大会を視聴できるよう制度を改善する」とし、選手たちがより多くの国民の応援の中で夢の舞台に立てるよう、政府が後押しすることを約束した。

同委員会は、地上波のみ視聴する世帯や高齢者など、アクセスが限定されやすい層の視聴機会の拡大を柱に、今月中に法改正の方向性を決める方針だ。

Copyright(C) wowneta.jp