トランプ氏は今月14日、イラン軍の攻撃などで事実上、封鎖されている原油輸送の要衝、ホルムズ海峡の安全な航行に向けて、韓国や日本などを名指し、「艦船を派遣し、ホルムズ海峡への脅威を排除してくれることを期待する」と自身のSNSに投稿した。翌15日には「7か国程度」に派遣を求めたことを明らかにし、「複数の国から肯定的な反応があった」とした。一方、トランプ氏から名指しされ、派遣を求められた韓国は15日、慎重な姿勢を示した。大統領府は同日、「韓米で緊密に意思疎通した上で慎重に判断する」とした。
韓国は米国とイランとの間で緊張が高まった2020年1月、韓国軍の清海部隊をホルムズ海峡に派遣したことがある。現地で韓国商船の護衛を担った。同部隊は現在、ソマリア沖のアデン湾で任務にあたっている。通信社の聯合ニュースによると、同部隊には4400トン級の駆逐艦と262人の兵力が投入されているという。聯合は15日、「米国から要請があれば、政府は清海部隊の派遣を検討すると予想される」と伝えた。
トランプ氏は16日、韓国や日本を名指しし、改めて積極対応を求めた一方、「非常に積極的な国もあれば、そうでない国もある。我々が長年にわたり支援してきた国もある。彼らを恐ろしい外部の脅威から守ってきたが、彼らはそれほど積極的ではなかった。その積極性の度合いは私にとって重要だ」と述べ、艦船派遣に消極的な国に不満を示した。
トランプ氏による艦船の派遣要請に、韓国紙の中央日報は、「ホルムズ海峡への依存度が高く、米軍が直接駐留して安全保障上の保護を受けている韓国と日本は、より強度の強い参加圧力を受ける見通しだ」と伝えた。
朝鮮日報は16日付の社説で「トランプ大統領が名前を挙げた国のうち、ホルムズ海峡封鎖で最も大きな影響を受けるのは韓国と日本だ」と指摘。「韓国は原油輸入量の70%を中東に依存しており、うち95%以上がホルムズ海峡を通過する。現時点で韓国の原油・石油製品の備蓄は政府備蓄分が7648万バレル、民間7383万バレルでこれは合計208日分に相当する。しかし、封鎖が長期化すれば韓国経済全体が大きな影響を受けるのは避けられない」と懸念を示した。その上で同紙は「軍事作戦に直接参加する場合、イランとの関係悪化が避けられないため慎重な対応が必要だ」とし、「韓国は関税をはじめ防衛費増額問題など米国とは様々な課題を抱えている。そのためホルムズ海峡への海軍派遣は韓米同盟、国益、イランとの関係など全てを考慮した上で、戦略的な観点から決定を下さねばならない」と主張した。
ハンギョレは17日掲載の社説で「米国の報復が気になるのは事実だが、『大義名分のない戦争』に軽々しく若者を送り出し、血を流させるわけにはいかない」とし、「韓国独自の確固たる原則を持ち、同様の状況に置かれた主要国と緊密に連携しつつ、米国の不当な圧力に屈してはならない」と主張した。
韓国大統領府のホン・イクピョ政務首席秘書官は17日、出演したテレビ番組で「(トランプ氏が)支援を要請したほとんどの国、英国やフランス、日本も否定的な立場のようだ」とし、「(艦船派遣は)韓米関係だけでなく、国内の政治的な協議も極めて重要で、両方を熟慮しなければならない問題」との認識を示した。また、ホン氏は「トランプ大統領の立場が毎日のように変わっている」とも指摘した。
艦船の派遣に各国から否定的な考えが相次ぐ中、トランプ氏は17日、北大西洋条約機構(NATO)加盟国や韓国、日本などの支援は「もはや必要ない」と表明した。派遣要請は事実上、撤回に追い込まれた形だ。
トランプ氏のこの発言を報じた韓国の公共放送KBSは「同盟国が派兵要請に消極的な姿勢を見せたことへの強い不満を示したものとみられ、今後、防衛費や通商分野で圧力が強まる可能性が指摘されている」と伝えた。
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