「BTS」をめぐっては、メンバー7人全員が兵役や、部隊配属に代わる任務につくため、2022年以降、グループとしての活動を休止していたが、昨年、全員が兵役を終了。今月20日に3年9か月ぶりに新アルバム「ARIRANG(アリラン)」を発表し、活動を再開した。今回の公演は新アルバムの発表記念との位置づけで開催された。
兵役を終えたメンバー7人全員の「完全体」による今回の公演には、チケットを得た約2万2000人の観客のほか、会場となった光化門広場周辺の路上にも韓国内外から「ARMY(アーミー)」と呼ばれるファンが大勢集まった。メンバー7人が登場すると、会場は大歓声に包まれた。RMさんの掛け声とともに公演がスタートし、1曲目の「Body to Body」から会場のボルテージは最高潮に達した。公演では「Body to Body」のほか、世界的ヒット曲「Butter」「Dynamite」など計12曲を披露。「MIC Drop」ではファンから「BTS!」とコールがかかった。光化門広場はファンが手にした光るペンライトで包まれ、「BTS」を象徴する紫色に染まった。
今回の公演会場となった光化門広場は、「王の大きな徳が国中を照らす」という意味を持つ朝鮮王朝の王宮「景福宮」の正門「光化門」前からソウル市庁方面へ延びる大通り「世宗路」に整備された、ソウルを象徴する都市広場だ。広場内にはハングルを創製した世宗大王や朝鮮水軍の将軍イ・スンシンの銅像も建つほか、水路や花壇が整備され、市民の憩いの場になっている。
韓国メディアのヘラルド経済によると、「BTS」の所属事務所のHYBEは、今回の公演を「Kヘリテージ(遺産・伝統)とK-POP融合公演」と位置づけ、今年1月に光化門一帯の使用及び撮影許可を国や市に申請。国家遺産庁は景福宮、光化門、崇礼門一帯の使用を条件付きで認め、ソウル市も条件付きで広場の使用を許可した。
光化門広場で特定のアーティストが単独公演を開催するのは今回が初めてで、ヘラルド経済は「ソウルの中心であり、韓国の歴史と象徴性を体現するこの場所が、完全体カムバックの舞台として選ばれたこと自体が大きな意味を持つ」と指摘。その理由は、「BTS」が公演の前日にリリースしたアルバム「ARIRANG(アリラン)」に集約されているとした。アリランは朝鮮半島の代表的な民謡で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にも登録されている。ヘラルドは「今回のアルバム名は、空白期間を経て、『ルーツへと立ち返った』ことを象徴し、韓国文化を世界に発信するという使命の延長線上にある」とする米誌フォーブスの解説を引用した上で、「この評価が示すように、今回の光化門公演は、音楽的コンセプトと場所の象徴性が緻密(ちみつ)に重なり合った構成といえる」とした。
公演に先立ち、20日に開かれたHYBEなどの関係者らの会見で、HYBEミュージックグループAPAC地域代表のユ・ドンジュ氏は、世界が注目するBTSの活動再開の舞台として光化門を提案したのはHYBE創業者で取締役会議長のパン・シヒョク氏だと明かした。パン氏は「韓国で始まり、スーパースターになった『BTS』がカムバックするなら、その出発点は韓国でなければならず、韓国で最も象徴的な空間でなければならない」と述べたという。
公演ではメンバーも会場について触れ、SUGAさんは「韓国で最も歴史的な場所で公演ができてうれしい」と喜びを口にし、Vさんも「本当に、このような特別な場所でカムバックすることができて感慨深い」と語った。
韓国紙の東亜日報は、「今や光化門はK-POPを楽しむ世界の人々の場へと進化しようとしている」とし、「ローマのコロッセオ広場でポール・マッカートニーやエルトン・ジョン(いずれも世界的に知られる英歌手)が公演を行ったように、歴史的空間は再解釈を通じて現代と結びつく」とした。その上で、「(ロックバンド)ビートルズのスタジオがあった英ロンドンのアビイ・ロードが『ポップの聖地』となったように、光化門一帯の歴史的空間とKポップを結び付ければ、新たな観光資源となり得る」と期待を示した。
公演後、HYBEはコメントを発表し、無事に公演を終えられたことに感謝した上で、「景福宮と光化門は、韓国の歴史とアイデンティティ、そして今日の文化が共に息づく空間であることをよく理解している。HYBEは、この場所で世界に向けた公演を披露できたことを非常に光栄に思う」とした。
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