像は、正義連が前身組織「挺身隊問題対策協議会(挺対協)」時代の1992年から続けてきた同集会が1000回に達した2011年に、これを記念して設置された。挺対協は日本大使館前に慰安婦の記念碑を立てたいと、ソウル市のチョンノ(鍾路)区長に要望。当時の韓国メディアの報道によると、区長は記念碑の場合、道路専用許可が必要だが、少女像なら芸術品であるため問題ないとの見解を示したとされる。像は、民族衣装のチマチョゴリを着た少女が木製の椅子に座り、左隣には空席の椅子、その左に碑文が敷設されている。空いている椅子は、問題が未解決のまま多くの元慰安婦が死去したことを表現しているという。当時の除幕式には約1000人が参加したとされ、元慰安婦が空席の椅子に座り日本大使館に向かって抗議した。
しかし、日本大使館前での設置は外交公館の威厳や機能を保証するウィーン条約に違反する。日本政府は像が日本大使館前に設置されたことに、当時、遺憾の意を表し、これまで繰り返し韓国政府に撤去を求めている。しかし、地元の鍾路区が2017年にこの像を「公共造形物」として保護・管理できるようにする条例を施行。これにより、像を移設、または撤去する場合、区の都市空間芸術委員会の決定に従わなければならなくなり、日本政府が求めている撤去は事実上、困難になった。
正義連が像の近くで毎週水曜日に集会を続ける中、近年は像の撤去や正義連の活動を否定する保守団体も対抗デモを行ってきた。像の破損を懸念した正義連の要請を受け、像の周辺には2020年6月にバリケードが設置された。
先月20日、元慰安婦を侮辱したとして、「慰安婦法廃止国民行動」のキム・ビョンホン代表が死者名誉棄損の疑いで警察に逮捕された。キム代表らはこれまで、韓国各地に設置されている少女像の近くで撤去を求めるデモを行ったほか、像には「撤去」と記したマスクをつけたりした。また、元慰安婦について「性売買女性」と主張した。
キム代表らの行動には、イ・ジェミョン(李在明)大統領も激怒。李氏は今年2月、自身のX(旧ツイッター)にキム代表ら団体の関係者らについて「戦争犯罪の性奴隷被害者を売春婦呼ばわりするとは、大韓国民なら、いや人間ならばあり得ないことだ」と批判した。李氏は元慰安婦が「無理やり戦場に連れて行かれ、死の恐怖の中で毎日数十回も性暴行を受け、挙句の果てには虐殺までさせられた」とした上で、団体の活動について「どうしてそこまで残酷になれるのか。無実の戦争犯罪被害者に同情するどころか、何年にもわたり全国を回りながら売春婦だと侮辱する、その情熱と費用、時間は一体どこから出てくるのか」と疑問を投げかけた。
一方、キム代表は逮捕前、自身に対する警察の捜査が本格化し、圧力を感じているとし、「大統領がその強大な地位を利用して、一市民に過ぎない私を攻撃し、警察も私の活動を弾圧している」と批判した。
先月20日、キム代表が逮捕され、バリケードの撤去をめぐる議論が本格化した。警察はキム代表が拘束され、現地でのトラブルのリスクが低下したと判断。正義連が今月1日正午から開催した水曜集会に合わせて、バリケードは一時的に撤去された。
通信社の聯合ニュースは、バリケードが撤去され、少女像が姿を現した際の様子について「見守っていた人々の間からは嘆声が漏れた。長時間手入れされていなかった少女像は頭部や手、衣服などの塗装が剥がれ、傷も目立っていた」と伝えた。
約6年ぶりにバリケードが撤去されたが、警察は当面、正義連の集会の時間帯に限って外す方針で、今月1日も集会が終わると像は再びバリケードで囲われた。恒久的に撤去するかは今後、状況を見て判断するという。
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