<W解説>トランプ米大統領の「韓国、役に立たなかった」発言受け、今後、懸念されること
<W解説>トランプ米大統領の「韓国、役に立たなかった」発言受け、今後、懸念されること
米国のトランプ大統領は今月1日(現地時間)、イランによって事実上、封鎖されているホルムズ海峡の安全確保をめぐり、韓国や日本、中国、欧州に不満を示した。韓国に対してトランプ氏は「われわれの役に立たなかった」とも述べた。こうした中、同海峡での安全な航行の再開に向け、英国のクーパー外相の主宰で2日、オンライン会合が開かれ、韓国や日本を含む40か国以上の外相らが出席した。

今年2月末に米・イスラエルによるイラン攻撃によって勃発した3か国の戦争は、イランによる事実上のホルムズ海峡の封鎖にまで発展した。世界の石油供給量の約20%が同海峡を通過して各国に輸送されていることから、海峡の事実上の封鎖による影響は世界に及んでいる。

こうした中、米国のトランプ大統領は今月1日、ホワイトハウスでの会合で、封鎖状態のホルムズ海峡の安全確保をめぐり、韓国や日本など批判した。トランプ氏は「イランが事実上封鎖しているホルムズ海峡の管理責任を、欧州やアジア諸国に任せるべきだ」と主張。韓国に対しては、米国が北朝鮮から韓国を防衛するため駐留させている在韓米軍の規模に触れながら「われわれは困難な地域である核戦力(北朝鮮)のすぐ隣に4万5000人の兵力を置いているのに、韓国はわれわれの役に立たなかった」と述べ、ホルムズ海峡への艦船派遣要請に韓国が応じなかったことに不満を示した。だが、この発言について伝えた韓国メディアは、「在韓米軍の規模は約2万8500人」と指摘。中央日報は「トランプ大統領は以前から兵力規模を誇張して言及してきた経緯がある」と補足した。韓国紙のハンギョレは、4日掲載の社説で、「自らの決定で始まった米国・イスラエルとイランの戦争によりホルムズ海峡が封鎖され、世界経済が大混乱に陥っているにも関わらず、今後起こることは各国が自力で解決すべきという無責任な態度を示した」と批判した。

トランプ氏が海峡の安全確保を欧州やアジア諸国に任せるべきとの考えを示したことを受け、2日、同海峡での安全な航行の再開に向け、英国が呼びかけた有志国によるオンライン会合が開かれ、韓国や日本を含む約40カ国の外相らが出席した。韓国からはチョン・ウィヘ外交部(外務省に相当)次官補、日本からは茂木敏充外相が出席した。会合を主宰したクーパー英外相は「われわれは、イランが国際海上輸送ルートを乗っ取り、世界経済を人質に取ろうとするのを目撃してきた」と非難。「海峡の即時かつ無条件の開放を求める」と述べた。チョン次官補は、この日の会合で、海峡の安全確保に向けた国際的な取り組みに参加する意志を示したという。報道によると、この日の会合では、イランに海峡開放を促すために利用できる外交的・経済的選択肢などについて議論したが、具体的な合意には至らなかった。今後、実務レベルで具体的な対応を協議していく。一方、この日の会合に、米国は出席しなかった。

前述した、トランプ氏の今月1日の発言を受けて開かれた今回の会合だが、トランプ氏に「われわれの役に立たなかった」と名指しされた韓国では、メディアが今後のトランプ氏の出方に懸念を示している。中央日報は3日掲載の社説で、「トランプ大統領の過酷な『請求書』までが飛んでくる状況を迎えている」と指摘。「中東に移動した在韓米軍の防空網戦力の復帰問題など、経済及び安保利益と連動する可能性があり、精巧な対応戦略が求められる」とし、「政府は全てのネットワークを動員して、トランプ政権との意思疎通を強化し、不利益を被ることがないようにする必要がある」とした。TV朝鮮は「トランプ米大統領の『韓国は役に立たない』発言の問題は、不満が単に口撃で終わらない可能性があることだ」と指摘。「ホルムズ海峡への派遣に応じなかったことを口実に、安全保障や関税といった分野で圧力を強めれば、韓国にとってかなりの負担は避けられない」と懸念した。

一方、韓国紙のハンギョレは4日掲載の社説で、「米国は今や自国の利益だけを追及する『略奪的な大国』へと変わってしまった」と指摘。「価値を共有する中堅国と連携しながら、『米国への依存を減らす』新たな国際秩序を模索していく必要がある」と主張した。

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