<W解説>韓国・李大統領、ホルムズ海峡めぐる有志国会合に参加=「終戦後の発言権への布石」と韓国紙
<W解説>韓国・李大統領、ホルムズ海峡めぐる有志国会合に参加=「終戦後の発言権への布石」と韓国紙
米国・イスラエルとイランの交戦をめぐり、ホルムズ海峡の航行の自由を確保するための有志国会合が今月17日、フランス・パリで開かれた。フランスと英国の首脳が主催し、約50か国・機関が参加した。韓国からはイ・ジェミョン(李在明)大統領がオンラインで出席。エネルギー供給の安定や海峡の自由航行に向けた国際連携の必要性を訴えた。韓国紙のハンギョレは李氏がこの会合への出席を決めたことについて「終戦後の発言権への布石」と指摘した。

ホルムズ海峡をめぐっては、イランが先月、米国・イスラエルによる攻撃に対抗し、封鎖した。韓国船舶も26隻が足止めされた。多くの石油タンカーが通過困難となったことで、世界の原油価格が上昇。韓国も石油価格が高騰している。韓国政府は先月13日、燃料価格の安定のため、「石油最高価格制」を29年ぶりに導入。今月10日には3回目の実施に踏み切った。3回目の最高価格は2回目と同様、ガソリン1リットル当たり1934ウォン(約207円)、軽油1923ウォン、灯油1530ウォンとした。また、先月25日からはソウル市など全国の市・道で、政府や地方自治体、公共機関に出入りする車両に対し、週1回の通行規制を行っている。

イスラエルとレバノンが合意した10日間の停戦が発効したことを受けて、イランのアラグチ外相は17日、「ホルムズ海峡を通過する全ての商船の航行は残りの停戦期間中、イランが指定した航路を通じて完全に開放される」と表明。これを受けて同日、貨物船など約20隻がペルシャ湾から出ようと海峡に向けて航行したものの途中で停止し、一部は引き返した。18日、イランの軍事当局は海峡について「以前の状態に戻り、厳格な管理・統制下に置かれた」とし、「再封鎖」したことを明らかにし、自由な航行は見通せない状況となっている。

17日、海峡の安全な航行の確保に向けた会合が、英国とフランスの主導によりパリで開かれた。会合の開催に先立ち、韓国大統領府の高官は16日、「ホルムズ海峡の自由で安全な通航は全ての国の利益に関わるもので、われわれの国益にとっても重要であるため、有志国と連携する努力を続けている」とし、李氏の会議への参加を「前向きに検討している」とした。

韓国紙のハンギョレは17日に掲載の記事で、李氏がこの会議に出席する見通しとなったことについて、「海峡の再開通と自由航行に向けた国際社会の連帯の動きに加わりつつ、終戦後の韓国の発言権と役割を確保するためとみられる」と指摘した。さらに記事は、「韓国は先月19日にホルムズ海峡に関する38か国の共同声明に参加したのに続き、同月26日にはフランス主導の35か国の合同参謀本部長会議、今月2日には英国主導の40か国余りの外相会議にも参加した」とした上で、「李大統領の今回のオンライン首脳会議への参加はその延長線上にある」と解説した。

予定通り会合に出席した李氏は「公共の資産であり、グローバルなサプライチェーンを支える中核軸であるホルムズ海峡の封鎖により、世界のエネルギー・金融・産業・食料・安全保障全般が揺らいでいる」と懸念を示した。さらに、海峡で足止めされている船舶の船員の安全と健康が十分に確保されていない状況も指摘した。

会合では、戦闘終結後に中立的な多国籍軍を派遣し、機雷除去などの計画を策定することで合意した。終了後、共同議長を務めた英国のスターマー首相とフランスのマクロン大統領らが声明を発表した。マクロン氏は「われわれは、戦前に適用されていた自由航行の条件の回復と、国際法の完全な順守を求める」などと述べた。

韓国紙の東亜日報は18日掲載の社説で、今回の会議について「戦争でまひした海峡の安全航行や、終戦後の機雷除去など自由な航行回復に向けた国際協力の議論が動き出した」と評した。船舶の安全確保のため、英国とフランスが主導して多国籍部隊を結成することが今回の会議で決まったが、社説はこれについて、「韓国も将兵の安全を最優先にしつつ、海峡の自由な航行に実質的に寄与する方策を模索すべきだ」と主張した。さらに社説は「第2次世界大戦後に形成された海上交易秩序の受益国である韓国にとって、航行の自由は譲れない核心的価値だ」と指摘。「エネルギー供給網危機の克服に向けた国際連帯と参加は、輸出の動脈を守る国益の防衛であり、航行の自由と海洋安全保障に貢献するグローバル中枢国家としての責務でもある」とした。

会合終了後、李大統領はSNSを通じ、「グローバル責任強国として、国際法に基づく海峡内の航行の自由保障のために責任ある役割を遂行していく」とし、「今後の状況変化に対応して外交・軍事的協力の増進案も積極的に模索する計画だ」と明らかにした。さらに、「自由な国際通航の原則とグローバルサプライチェーンの安定に寄与するための国際社会の努力に主導的に参加する」とし、「国民の日常が揺らぐことなく維持されるよう、最善を尽くす」とつづった。
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