<W解説>韓国・統一地方選まで1か月切る=李政権の中間評価の位置づけ、現時点の情勢は?
<W解説>韓国・統一地方選まで1か月切る=李政権の中間評価の位置づけ、現時点の情勢は?
6月3日に投開票される韓国の統一地方選挙まで1か月を切った。イ・ジェミョン(李在明)政権を支える革新系与党「共に民主党」が高い支持率を維持し、優勢な一方、保守系最大野党「国民の力」は、ユン・ソギョル(尹錫悦)前大統領の弾劾の影響が続いており、支持率は低迷、厳しい戦いが予想される。通信社の聯合ニュースは「2024年の前回総選挙で『共に民主党』が圧勝し、昨年の大統領選でも勝利したのに続き、今回の地方選でも圧勝して地方権力まで完全に掌握するのではないかとの見方もある」と伝えている。

今回の選挙では、各地の自治体の首長や議員らが選出される。昨年6月に発足した李政権の中間評価の性格も帯びる。公共放送KBSが先月27日に、最新の世論調査の結果として伝えたところによると、「共に民主党」は、候補者が確定していない地域を除く14の広域自治体のうち、11の地域でリードしており、全体として優勢とみられているという。一方、「国民の力」は、尹前大統領の弾劾の衝撃を引きずっており、「保守の牙城」とされる地域でも支持者離れが起きている。

尹氏は同党が与党だった2024年12月、「非常戒厳令」を宣言。非常戒厳令は韓国憲法が定める戒厳令の一種で、戦時や事変など非常事態に、軍事上、必要となる場合や公共の秩序を維持するために大統領が発令するものだ。1987年の民主化以降初めてとなる非常戒厳令の宣布を受け、当時、武装した戒厳軍の兵士がガラスを割って国会議事堂に突入。軍事政権時代を連想させる事態に、国会前には多くの市民が集まり、戒厳に反対するシュプレヒコールを上げたほか、軍の車両を取り囲むなど騒然とした。尹氏はわずか6時間で非常戒厳を解いたが、その後もしばらく社会の混乱は続いた。保守、革新の政治的な対立が激化し、社会の分断が進んだ。尹氏は国会で弾劾訴追された後、昨年4月に憲法裁判所の決定で罷免された。それに伴い昨年6月に行われた大統領選挙では革新系「共に民主党」の李在明氏が勝利。「国民の力」は野党に転落した。

「国民の力」の党内ではこれまで、尹氏への評価をめぐり内紛が続いてきた。同党は今年1月、尹氏に批判的なハン・ドンフン(韓東勲)前代表を除名した。韓氏の家族が、インターネット上に尹氏夫妻を批判する文章を書き込んだ問題をめぐり韓氏が責任を問われたが、韓氏に近い議員は、韓氏が尹氏の弾劾に賛成したことへの報復だとして反発した。

内乱首謀罪などに問われた尹氏の裁判で、ソウル中央地裁は今年1月、尹氏に無期懲役を言い渡し、尹氏が国会に軍を送ったことは「内乱」と認定した。一方、「国民の力」のチャン・ドンヒョク代表は「戒厳は内乱ではない」として尹氏を擁護し続けてきた。しかし、尹氏が宣言した戒厳令は有権者の大半が否定しており、罷免された尹氏を擁護し続ける姿勢は支持者離れを招いた。チャン氏は戒厳について、党として公式に謝罪したものの、尹氏を支持する強硬保守層との関係を断ち切れず、同党は支持率低迷が続いている。

世論調査会社の韓国ギャラップが今月1日に発表した支持率調査によると、李大統領の支持率は前週より3ポイント下がったものの、64%で高い支持率を維持している。李政権を支える「共に民主党」の支持率は前週より2ポイント下がって46%、一方、低迷が続く「国民の力」は1ポイント上がったものの21%だった。

統一地方選まで1か月を切り、「共に民主党」は李氏の高い支持率を背景に、「国政安定」を前面に押し出している。一方、「国民の力」は政権へのけん制を強調しているが、聯合ニュースは「野党の核心戦略である『李在明政権の審判』は浸透していない」と指摘した。

KBSによると、最新の世論調査では、統一地方選で最も注目されるソウル市長選は、「共に民主党」のチョン・ウォノ候補が、「国民の力」の現職、オ・セフン候補に約10ポイント差でリードして46%の支持率となっているという。そのほか、保守勢力が強い地域でも「国民の力」候補は厳しい戦いが予想され、聯合ニュースは「南東部のテグ(大邱)市、プサン(釜山)市、ウルサン(蔚山)市、キョンサンナムド(慶尚南道)などの伝統的な保守の地盤を中心に、保守勢力が結集できるかが勝敗を分ける要因になる」と伝えた。
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