ホルムズ海峡をめぐっては、イランが3月、米国・イスラエルによる攻撃に対抗し、事実上、封鎖した。各国の石油タンカーが足止めされ、世界の原油価格が上昇。韓国でも石油価格の高騰が続いている。
こうした中、トランプ米大統領は前述の「プロジェクト・フリーダム」を開始すると表明した。一方、イランは、海峡に接近、または進入しようとする米軍などは攻撃対象になると警告。アラグチ外相は「プロジェクト・フリーダム」について「プロジェクト・デットロック(行き詰まった計画)だ」などと揶揄(やゆ)した。
米国がこの作戦に着手した4日、海峡付近に停泊していた韓国海運最大手、HMM(旧現代商船)が運航するパナマ船籍のコンテナ船が爆発、炎上した。韓国人6人と外国人18人が乗船していたが、けが人はいなかった。これを受けて、韓国大統領府は5日、カン・フンシク大統領秘書室長主宰の会議を開き、対応を協議した。
こうした中、トランプ氏は爆発・炎上した船舶について、イランの攻撃を受けたものだと主張。「プロジェクト・フリーダム」に言及し、「今こそ韓国がこの作戦に参加する時のようだ」と参加を促した。これに対し、韓国大統領府は5日、「プロジェクト・フリーダム」について「朝鮮半島の備えや、国内法の手続きなどを考慮して検討中」とした。
しかし、トランプ氏はイラン側との戦闘終結に向けた交渉に「大きな進展があった」として、「プロジェクト・フリーダム」を短期間停止すると発表。作戦表明からわずか2日での停止発表だった。これを受けて韓国大統領府は「(参加の)検討は必ずしも必要ではなくなった」との立場を示した。
一方、「プロジェクト・フリーダム」の開始直後に起きたHMMの貨物船の爆発・火災について、韓国政府の合同調査団は10日、「未詳の飛翔体による打撃を受けた」と発表した。しかし、現時点で発射主体のほか、飛翔体の機種や大きさなどは特定できていない。このことに関連し、通信社の聯合ニュースは「イラン政府はこれまで同船舶の爆発・火災に自国軍が関与していないと主張してきた」とし、「誤射でなければ、民間船舶に意図的に被害を与える主体は事実上、イランしかいないが、政府は攻撃の主体を予断せず、追加の調査を続ける方針だ」と伝えた。
外交部は10日、サイード・クーゼチ駐韓イラン大使を呼び、調査結果を発表した。クーゼチ大使は説明を受けて外交部を後にする際、記者団の問いかけには無言を貫いた。
大統領府のウィ・ソンラク国家安保室長は11日、「民間船舶に対する攻撃は正当化も容認もできない」とし、「強く糾弾する」と述べた。その上で、「このような事件が再発しないよう関係国と意思疎通し、近隣の海峡に停泊するわが国の船舶と船員の安全を強化するため、さらに努力する」とし、「韓国を含む全ての船舶の安全の保障と自由な航行のため、国際社会の取り組みに引き続き参加する」と強調した。
また、チョ・ヒョン外交部長官(外相)は11日、外交部が発射の主体は予断せず、追加の調査が必要としていることについて、「慎重に確認すべきことがもう少し残っており、(その後に)それを判断しなければならない」と述べた。
だが、朝鮮日報によると、政府関係者は「攻撃の主体はイランと考えるのが現実的」との見方を示した。また、ある与党関係者は「今のこの状況で政府があいまいな態度を取り続ければ、現状から顔を背けていると見られかねない」と危惧(きぐ)した。
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