<W解説>日韓首脳が間を置かず互いの故郷訪問=強固な信頼関係、印象づける
<W解説>日韓首脳が間を置かず互いの故郷訪問=強固な信頼関係、印象づける
高市早苗首相とイ・ジェミョン(李在明)韓国大統領が今月19日、会談した。両首脳が首脳会談などで顔を合わせるのは4回目。今年1月に李氏が高市氏の出身地である奈良を訪れたのに続き、今回は高市氏が李氏の故郷である南東部のアンドン(安東)を訪問し、首脳会談が行われた。4か月という短期間のうちに互いの故郷を訪問したことは、首脳同士の相互往来「シャトル外交」が定着したことを示すものと言える。

今回、高市氏は「国賓に準ずる礼遇」で歓待された。ホテルに到着した際には、軍の音楽隊、軍楽隊が出迎えた。会談は少人数会合、その後の拡大会合と続き、中東情勢を踏まえ、インド太平洋など地域情勢などについて意見を交わしたほか、エネルギー供給網への共同対応などについて議論した。李氏は冒頭、「現在の国際情勢は嵐が吹き荒れている。いつにも増して友好国間の協力と意思疎通が必要な時期」とした上で、「国際情勢の困難を乗り越えていく姿を通じて、(韓日)両国が互いにとっていかに重要な協力パートナーであるかを実感している」と述べた。高市氏は「中東情勢をはじめとして、今、国際社会は大変困難な時期を迎えている。李大統領と私のリーダーシップによって良好な日韓関係の基調を着実に発展させて、両国がインド太平洋地域の安定化の要として役割を果たしていくことが極めて重要だ」と述べた。

会談では、中東情勢を受け、インド太平洋地域のエネルギー供給網の強化や、原油、液化天然ガス(LNG)を融通するなど、エネルギー分野で協力を深める方針で一致した。具体的には、アジア各国のエネルギー確保を支援するために日本が創設した総額約100億ドル(約1兆6000億円)の金融支援の枠組みを活用し、石油備蓄やエネルギー供給の強化に協力していくことを確認した。また、LNGを含めた両政府間のエネルギー協力の発展に向けた「政策対話」の設置でも合意した。そのほか、拉致問題や核・ミサイル開発など北朝鮮への対応なども議論した。

会談後の共同記者発表で、李氏は「高市総理との会談はこの7か月で4回目だ」とし、「形式にとらわれず、いつでも必要な時に会ってコミュニケーションをとるシャトル外交が完全に定着したことを意味する」と良好な現在の日韓関係を評価した。その上で、「急変する国際情勢に共同で対応するための戦略的パートナーとして、様々な懸案について虚心坦懐に議論した」と語った。また、高市氏は「お互いの故郷でシャトル外交を間を置かずに実施できたことで、友情と信頼関係が一層強まり、深まった。地域と国際社会の平和と安定のため、そして日韓関係をさらに高みに引き上げ、協力のすそ野を広げていくために、引き続きあらゆるレベルで緊密に意思疎通を行っていきたい」と述べた。

李氏は記者発表の最後に「遠くない時期に、日本の別の美しい地域でまたお目にかかり、率直な意思疎通を継続できることを楽しみにしている」と述べた。これに対し、高市氏は「温泉にしようか、どこにしようか、とても楽しみで、美しい場所にお連れしたいと考えている」と応じた。

今回の会談が行われた、李氏の故郷・安東は南東部のキョンサンプクト(慶尚北道)に属する地方都市で、人口は15人余り。河回村など国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産4か所を有する観光地としても知られる。山形県寒河江市と姉妹提携を結んでいるほか、神奈川県鎌倉市や岐阜県高山市とも交流がある。1999年にはイギリスのエリザベス女王も訪れた。

李氏は今回、高市氏に安東市伝統の仮面などを贈った。9種類の彫刻の仮面は「和合」を象徴する。日韓両国の友好関係発展を願う意味が込められているという。会談後の夕食会では韓国焼酎を代表する安東焼酎も振る舞われた。
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