<W解説>サッカーW杯目前に控え、大韓サッカー協会長が辞意表明=タイミングは適切だったか?
<W解説>サッカーW杯目前に控え、大韓サッカー協会長が辞意表明=タイミングは適切だったか?
サッカー・ワールドカップ(W杯)北中米大会の開幕(6月11日)が迫る中、韓国の大韓サッカー協会(KFA)のチョン・モンギュ会長は先月29日、大会後に会長職を退くと表明した。チョン氏は2013年に会長に就任し、以来、13年間にわたって韓国サッカー界を率いてきた。昨年2月に4期目の再選を果たし、任期は2029年までだった。チョン氏は声明で「代表が本大会で成果を出せるよう支援することが、協会長としての最後の役目だと考え、最善を尽くす」などとしている。

チョン氏はソウル市出身の64歳。KFA会長、国際サッカー連盟(FIFA)理事などの顔を持つ一方、経済界では、韓国を代表する総合不動産・建設企業IPARK現代産業開発などを系列会社に持つHDCグループの会長を務めている。

チョン氏は2013年に第52代KFA会長に就任し、17年、21年、25年と会長選挙に4回連続で再選を果たした。昨年2月に行われた第55代会長選挙では1回目の投票で有効票183票の85%を超える156票を獲得し、決選投票なしで当選を果たした。

現在、4期目を務めているチョン氏だが、サッカーファンらからはこれまで厳しい批判を受けてきた。2023年にはプロサッカーリーグ、Kリーグの八百長事件で永久追放処分となっていた元選手らを「赦免」とする決定を下し、非難された。また、同年、ユルゲン・クリンスマン氏を韓国代表監督に招聘(しょうへい)した際、通常の手続きを無視したとして批判を浴びた。クリンスマン氏はわずか1年で解任となった。また、先月、北中米W杯の韓国代表メンバーが発表された中、チョン氏は記者会見場に姿を見せなかった。チョン氏はその時間、知人とゴルフをしていたという。

W杯の開幕が近づき、代表選手たちが事前キャンプに汗を流す中、チョン氏は先月29日、大会後に会長職を辞任することを発表した。チョン氏は声明で辞意を表明した上で、「私がサッカー協会を率いてきた中で、様々な論争や批判があったことは承知している。これらは全て、私の不徳の致すところだと考えている」などとした。W杯が閉幕する7月19日(現地時間)以降に辞表を提出する予定という。29年までの任期を全うすれば歴代最長の16年間(1993~2009年)にわたり会長を務めたチョン・モンジュン元FIFA副会長と肩を並べるはずだったが、13年目に退くことになった。

KFAはチョン氏の辞任について、「韓国サッカーの未来に向けた中長期的なビジョンの樹立と政策履行に専念すべきサッカー協会が現状を打開して人的刷新を成し遂げるためには、トップとしてまず責任を負う姿勢を示す時だと(チョン氏が)熟考した上で決定された」と説明した。

チョン氏の辞意は、代表チームには米ユタ州ソルトレークシティー近郊のヘリマンでのW杯事前キャンプ中に知らされた。28日(現地時間)にテレビ会議を通じてチョン氏が直接、監督、選手たちに辞意を伝えた。その後、選手たちはミーティングの時間を設け、自分たちがやるべきことについて確認したという。ホン・ミョンボ監督は29日(現地時間)、記者団の取材に応じ、チョン氏の辞意表明について「非常に当惑しているというのが正直なところだが、これまでやってきた通り、これからも自分たちの役割を全うする」と述べた。チームの雰囲気についてホン氏は「問題はないようだ」とし、「これまで我々がやってきた通り、着実に準備している様子が今日も見られた。大きく動揺するという感じはなかった」と話した。

チョン氏は前出の声明で「私は代表が今大会で良いパフォーマンスを披露し、意味のある成果を収めるものと信じている」とした上で、国民に対し、「大会期間中、代表へ惜しみない支持と応援を送って下さることを切にお願い申し上げる」とも呼び掛けた。
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