<W解説>河野元衆院議長の死去に、韓国メディア「談話」評価、政界からは悼む声
<W解説>河野元衆院議長の死去に、韓国メディア「談話」評価、政界からは悼む声
今月8日に89歳で死去した河野洋平・元衆議院議長は、1993年に官房長官として元慰安婦らへのおわびと反省を表明した「河野談話」を発表したことで、韓国でもよく知られている。そのため、韓国メディア各紙は日本メディアの報道に追随する形で10日夜から相次いで河野氏の死去を報じたほか、イ・ジェミョン(李在明)大統領、キム・ミンソク(金民錫)首相らも哀悼の意を示した。外交部(外務省に相当)は11日、声明を発表し、「河野談話」について「慰安婦問題について多くの女性の名誉と尊厳に深い傷を残した歴史的事実であるという点を認め、心からの謝罪と反省の気持ちを明記した日本初の公式文書」と評価した。

韓国紙のハンギョレは河野氏について、父の一郎氏の後を継ぎ1967年に初当選して以降、衆議院選挙に連続14回当選し、「日本政界で活躍した中心人物の一人とされる」とした。その上で、「自民党の金権・派閥政治と腐敗を批判し、離党したことがあり、1993年の官房長官在任時には『河野談話』を発表するなど、自民党政権内で保守穏健派として活動した」などと伝えた。また、「戦争放棄を明記した日本の憲法9条改正に慎重な立場を取り、中国・韓国との周辺国外交を重視した」と評価した。

朝鮮日報は河野氏について「日本が戦後の長期間にわたり避けてきた植民地支配と戦争犯罪問題に正面から取り組み、戦後の韓日関係に重要な転機をもたらした人物だと評価されている」と伝えた。その上で同紙は「河野談話」ついて改めて取り上げ、「政府の調査結果に基づき、『長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在した』ことを認め、『旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した』とした。また、慰安婦の出身地については『日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていた』『当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である』と認めた。その上で河野談話では『(日本)政府は、この機会に、改めて、その出身地の如何を問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し心からおわびと反省の気持ちを申し上げる』と述べた」と紹介した。同紙は「これは日本政府が公式文書で従軍慰安婦問題に関する旧日本軍の関与や強制性を認め、被害者に対して謝罪と反省を表明した初の事例だった」と指摘した。

公共放送KBSは、河野氏が発表した「河野談話」がその後の日本政府の慰安婦問題に対する基本的な立場とされてきたとし、河野氏は談話の見直しを求める声が上がるたびに、これに否定的な立場を示してきたと伝えた。

中央日報は「日本政府は対外的には談話を継承する立場だが、歴史認識をめぐる議論は繰り返されている」と指摘した。

河野氏の死去を受け、李在明大統領は11日、自身のSNSに「日本の政界で広く尊敬を集める重鎮として、とりわけ隣国との和解及び信頼関係の構築に尽力され、韓日関係の発展に多大なるご貢献を賜りました」と韓国語と日本語で投稿し、追悼した。李氏は「河野談話」にも触れ、「慰安婦問題について、『多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた』歴史的事実を認め、『心からのおわびと反省の気持ち』を明確に示した初めての公式表明でありました」とした上で「歴史の事実を回避することなく、それを教訓として直視し、同じ過ちを決して繰り返さないという決意を表明されました」と称賛。「『河野談話』に込められた歴史を顧みる勇気と被害を受けた方々の痛みに寄り添う思いは、韓日両国の未来志向の関係に向けて、重要な礎になっております」とした。その上で李氏は「相互尊重と信頼に基づく未来志向の韓日関係のさらなる発展に向け、今後とも力を尽くしてまいる所存です」と決意を示した。

金民錫首相も11日、自身のSNSで哀悼の意を示し、河野氏について「『歴史を受け止め、未来に向かって進む』という原則を示した、類まれな日本の政治家」と投稿した。金氏は河野氏の長男、河野太郎衆院議員と交流がある。

韓国外交部(外務省に相当)も11日、声明を発表し、河野氏について「歴史的事実と教訓を直視して反省する勇気と信念を実践した」とし、「韓日関係及び周辺国との関係発展に尽力した故人の精神と業績を高く評価する」と称えた。

河野氏の葬儀は近親者で既に営まれた。後日、お別れの会が開かれる予定となっている。
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